相続税更正処分取消請求事件(第1事件),贈与税決定処分取消等請求事件(第2事件)|平成22(行ウ)133等
[相続税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成23年6月3日 [相続税法]判示事項
1 医療法人の定款に,社員資格を喪失した者は拠出した資金の返還を請求することができる旨及び解散時に資金拠出者に対して資金を返還することは差し支えない旨の各規定がある場合に,同法人が,持分の定めのある社団である医療法人に当たるとされた事例2 持分の定めのある社団である医療法人の定款に,社員の退社時や同法人の解散時に払戻しを受け得る額を自らの払込出資額の限度とする旨の定めがある場合に,同法人の社員が死亡し,社員たる資格を喪失したことに伴い,他の社員の持分の価額が,同法人の財産全体を基礎として出資割合に応じて算定される額だけ増加したとして,この金額につき,相続税法(平成19年法律第6号による改正前)9条の規定により,他の社員が贈与により取得したものとみなしてされた相続税の更正処分が,適法とされた事例
裁判要旨
1 医療法人の定款に,社員資格を喪失した者は拠出した資金の返還を請求することができる旨及び解散時に資金拠出者に対して資金を返還することは差し支えない旨の各規定がある場合に,同法人においては,従前から,資本金を「口」を単位とし,それに対応する金額を同法人に所属させたとされる地位にある者を明らかにして管理していることを踏まえると,前記各規定は,その財産を同法人に所属させた者が,そのことに基づき,同法人の財産について,一定の事情が生じた場合に係る一定の地位ないし権利を有する旨を定めたものであるとして,同法人が,持分の定めのある社団である医療法人に当たるとした事例2 持分の定めのある社団である医療法人の定款に,社員の退社時や同法人の解散時に払戻しを受け得る額を自らの払込出資額の限度とする旨の定めがある場合に,同法人の社員が死亡し,社員たる資格を喪失したことに伴い,他の社員の持分の価額が,同法人の財産全体を基礎として出資割合に応じて算定される額だけ増加したとして,この金額につき,相続税法(平成19年法律第6号による改正前)9条の規定により他の社員が贈与により取得したものとみなしてされた相続税の更正処分につき,同法人の定款には前記定めの変更を禁ずる旨の定めはないし,法令にもこれを禁止する定めはなく,前記社員の死亡による相続開始時における定款の定めに基づく持分に係る地位ないし権利の内容がその後変動しないと客観的に認めるだけの事情はないことからすれば,同法人の持分の価額を,同法人の財産全体を基礎として出資割合に応じて算定する方法によっては適切に評価することができない特別の事情があるとはいえないとして,前記更正処分を適法とした事例
- 裁判所名
- 東京地方裁判所
- 事件番号
- 平成22(行ウ)133等
- 事件名
- 相続税更正処分取消請求事件(第1事件),贈与税決定処分取消等請求事件(第2事件)
- 裁判年月日
- 平成23年6月3日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 相続税更正処分取消請求事件(第1事件),贈与税決定処分取消等請求事件(第2事件)|平成22(行ウ)133等
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- 可分債権である貸付金債権については、可分債権であることをもって分割の対象とならない財産とみるのは相当ではなく、共同相続人間で実際に分割が行われた場合、実際に分割が行われないまでも、相続分に応じて取得する旨の共同相続人全員の合意がされた場合、一部の相続人が可分債権に対する自己の相続分相当の権利を行使した場合など、明らかにその全部又は一部の帰属が確定している場合を除き、他の未分割財産と一体として取り扱うのが相当であるとした事例
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- 宗教法人に対する贈与が贈与税の負担を不当に減少させる結果となると認定した事例
- 有料老人ホームの入居契約に基づき返還金受取人が取得した入居一時金に係る返還金請求権に相当する金額の経済的利益は、相続税法第9条でいう「みなし贈与」により取得したものとした事例
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