外国為替証拠金取引における収入すべき時期は、反対売買により決済した時等によるとした事例
[所得税法][収入金額][収入すべき時期]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/06/25 [所得税法][収入金額][収入すべき時期]《要旨》 請求人は、請求人が行った外国為替証拠金取引(本件各FX取引)により生じた利益及びスワップポイントについては、ロスカットを防止するため本件各FX取引の各取引口座から証拠金を出金することができなかったこと、また、本件各FX取引における未決済の取引については、評価損が評価益を上回っている状態にあったことから反対売買による差益を本件各FX取引の各取引口座から引き出す権利がなかったので、本件各FX取引については、本件各年分の年末において収入すべき金額が発生していない旨主張する。
しかしながら、所得税法第36条《収入金額》第1項が、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において「収入すべき金額」とする旨規定しており、これは、現実に収入がない場合においても、その収入の原因となる権利が確定した場合、その時点で所得の実現があったものとして課税所得を計算するという、いわゆる権利確定主義を採用しているものと解されているところ、本件各FX取引におけるロスカットや請求人の出金可能額は、請求人と本件各FX取引の取引業者との間の取決めにすぎないから、本件各FX取引における反対売買による差損益及びスワップポイントについては、反対売買による決済をした時、又はロールオーバーがあった時に、それぞれ収入の原因となる権利が確定したこととなる。
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