客船の船室及び船内施設を他人に利用させるなどして得た所得は雑所得に該当するとした事例
[所得税法][所得の種類][不動産所得]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/03/27 [所得税法][所得の種類][不動産所得]《要旨》 請求人は、船舶の一部の貸付けによる所得も不動産所得に含まれること、○○国船籍の客船(本件船舶)の一船室の貸付け(本件業務)は、本件船舶に係る居住権の貸付けでありこれは船舶の上に存する権利の貸付けであること、本件業務に係る所得は資産性所得であること、そして、役務の提供は僅かであることなどの理由から本件業務に係る所得は不動産所得であると主張する。
しかしながら、請求人はレンタル利用者に対し単に一船室を利用させているだけではなく相当程度のサービスと一体となったクルーズを提供しているというべきであり、本件業務に係る所得がほとんど又は専ら船舶を利用に供することにより生じたものとはいえないことから、本件業務に係る所得は不動産所得には該当せず、また、本件業務は営利性・有償性及び継続性・反復性を具備しているものの、本件業務の目的は毎年の維持管理費用を少しでも回収すること、請求人は年に4回程度外国送金依頼書に署名するのみであること、本件業務に係る従業員を雇用せず事務的設備を整えていないこと、医療法人の理事長として給与等を得ており生活の資の大部分をこれらの法人から得ていたこと、そして、自己資金の範囲内で本件業務を行っていることなどから、一般社会通念に照らし、本件業務は事業とは認められず、本件業務に係る所得は雑所得に該当する。
《参照条文等》 所得税法第26条第1項、第27条第1項、第35条第1項
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