不動産賃貸に係る土地と建物(マンション)を一括購入した場合の減価償却資産となる建物本体と建物附属設備の取得価額の算定方法について争われた事例
裁決事例(国税不服審判所)
2000/12/28 [所得税法][所得の種類][不動産所得] 請求人は、不動産賃貸に係る土地と建物(マンション)を一括購入し、[1]その減価償却資産となる建物本体の取得価額は、一括購入価額から路線価を基に算出した土地の実勢価額及び建物附属設備の価額を控除した額とし、[2]建物附属設備の取得価額は、一括購入価額から路線価を基に算出した土地の実勢価額を控除した額の30%相当額と主張し、原処分庁は、[3]建物本体の取得価額は、土地と建物の固定資産税評価額の比を一括購入価額に乗じて算出した額とし、[4]建物附属設備の取得価額は、建物本体に含めて計算すると主張する。
審判所において調査したところ、本件賃貸物件は新築マンションと中古マンションであり、新築マンションについては、売主等において土地と建物とに区分経理されているから、建物の取得価額はその金額によることが相当と認められ、また、建築時の工事費の割合が把握できることから、建物本体及び建物附属設備の取得価額は、その工事費の割合を基に計算することが相当と認められる。
次に、中古マンションについては、土地と建物の価額の区分について、その売主等においても把握できず、また、類似譲渡事例等もないところ、相続税評価額や固定資産税評価額等を基に合理的と認められる価額を見積もる必要があるが、固定資産税評価額は同一の機関で土地及び建物の評価を行うものであることなどから、本件においては、土地と建物の固定資産税評価額の比を一括購入価額に乗じて建物の価額を算出し、建物本体と建物附属設備のそれぞれの取得価額については、建築時の工事費の割合が把握できることから、その工事費の割合を基に計算することが相当と認められる。
平成12年12月28日裁決
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