債権差押処分取消請求事件|平成19(行ウ)240

[所得税法][国税徴収法][差押え]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成20年7月11日 [所得税法][国税徴収法][差押え]

判示事項

1 所得税等の滞納処分としてした預託金債権の差押処分の取消し又は無効確認を求める各訴えにつき,前記差押処分に係る第三債務者の原告適格が否定された事例
2 所得税等の滞納処分としてした預託金債権の差押処分の取消し又は無効確認を求める各訴えにつき,同債権の真の債権者であると主張する者の原告適格が否定された事例

裁判要旨

1 所得税等の滞納処分としてした預託金債権の差押処分の取消し又は無効確認を求める各訴えにつき,国税徴収法及びその関係法令には滞納処分としての債権差押処分に係る第三債務者の利益を保護すべきものとする趣旨を含むと解される規定は存せず,また,第三債務者は国税徴収法又はその関係法令に違反した債権差押えが行われた場合であっても債権差押処分前から滞納者に対して有しているすべての異議及び抗弁を差押債権者である国に対して対抗することができるのであるから,差押処分時以降に債務者との間に生じた事由は一切主張し得ないとしても,債権差押処分によって第三債務者が法律上の不利益を被ることはないから,前記差押処分に係る第三債務者は,同処分の取消し又は無効確認を求めるにつき法律上の利益を有しないとして,同第三債務者の原告適格を否定した事例
2 所得税等の滞納処分としてした預託金債権の差押処分の取消し又は無効確認を求める各訴えにつき,滞納処分としての債権差押処分がされた場合において,第三者が当該被差押債権は自己に帰属すると主張したときは,当該第三者が当該被差押債権の債権者であると証拠上認定できるのであれば,当該第三者は行政事件訴訟法9条1項,36条に規定する「法律上の利益を有する者」に当たるが,そのように証拠上認定できない場合には,特段の事情のない限り,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがあるとはいえないから,当該第三者は前記「法律上の利益を有する者」には当たらないとした上,前記債権の真の債権者であると主張する者について,全証拠によっても前記債権の真の債権者であるとは認められず,他に,前記差押処分により前記の者の権利若しくは法律上保護された利益が侵害され,又は必然的に侵害されるおそれがあると解すべき特段の事情の存在も認められないとして,前記の者の原告適格を否定した事例
裁判所名
東京地方裁判所
事件番号
平成19(行ウ)240
事件名
債権差押処分取消請求事件
裁判年月日
平成20年7月11日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
債権差押処分取消請求事件|平成19(行ウ)240

関連するカテゴリー

関連する裁決事例(所得税法>国税徴収法>差押え)

  1. 役員報酬が国税徴収法第76条に規定する給料等に該当するとした事例
  2. 中間省略登記の合意があっても、中間取得者に代位して原処分庁がした移転登記及び差押登記は適法であるとした事例
  3. 差押調書の滞納税額の記載の一部に誤りがあっても差押処分が無効であるということはできないとした事例
  4. 不動産に係る建築資金の負担割合により滞納者の共有持分を認定した上、その認定に基づいてした差押えは相当であるとした事例
  5. 差押処分の直後に自主納付により滞納国税が完納される可能性は著しく低く、請求人の財産を早期に保全する必要性があったと認められることからすると、差押処分に係る徴収職員の裁量権の行使は差押処分の趣旨及び目的に反して不合理なものであったとはいえず、差押処分は不当なものではないとされた事例(債権の差押処分・棄却・平成27年6月1日裁決)
  6. 原処分庁が差し押さえた滞納者が裁判上請求している貞操侵害を理由とする慰謝料請求権は、差押えの時点においては、いまだ行使上の一身専属性が失われたとはいえないから、差押えの対象とすることができない財産に当たるとして、差押処分を取り消した事例
  7. 不動産の差押処分が差押財産の選択を誤ったものとはいえず、超過差押えにも当たらないとした事例
  8. 滞納会社に対する滞納処分として差し押さえられた請求人名義の定期預金の払戻請求権について、預金の原資となっている滞納会社から振り込まれた金員は請求人に対する役員報酬ということはできないこと等から、滞納会社に帰属すると認めるのが相当であるとした事例
  9. 中小企業を倒産させないことが国の方針であるとしても、租税の徴収手続において、中小企業の倒産を防止するためにその手続を制限する法令上の定めがない以上、これを裁量判断の基礎とすることができないとした事例
  10. 滞納者への所有権移転登記の無効の主張について、民法第94条第2項の規定により原処分庁に対抗できないとした事例
  11. 価額弁済者も特段の事情のない限り、差押処分をした国に対し登記なくして対抗することができないことを明らかにした事例(不動産の各差押処分・棄却・平成26年2月19日裁決)
  12. 滞納処分により債権差押えをする場合、全額差押えを原則としており、被差押債権の範囲を一部とするか否かは徴収職員の裁量に任されていて、その濫用が認められない限り、債権の全額差押えは違法とはいえないとした事例
  13. 譲渡制限の存する信用組合の組合員の持分に対する差押えを適法とした事例
  14. 相続財産について破産宣告がなされたとしても相続により承継した国税の納付義務は消滅しないとした事例
  15. 土地と建物の差押えが超過差押えに該当しないとした事例
  16. 供託金の取戻請求権及び供託金利息の支払請求権は供託書上の供託者である滞納者に帰属するとした事例
  17. 相続税の延納担保財産の差押えが適法であるとした事例
  18. 企業組合が理事会の承認を受けることなく退任理事に譲渡した協同組合の組合員の持分は企業組合の所有に帰するとしてした差押処分が適法であるとした事例
  19. バブル崩壊による担保不足を請求人の責任として差押処分等をすることは不合理である等の請求人の主張が排斥された事例
  20. 差押不動産は一筆の土地で分割できないものであり、滞納国税の額に比較して差押不動産の処分予定価額が合理的な裁量の範囲を超え著しく高額であるとは認められないから、超過差押えに当たらないとした事例

※最大20件まで表示

税法別に税務訴訟事例を調べる

当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。


戦略的に節税するための無料ツール

一括節税計算機
※所得を入力して、税目別に税額を一括比較する
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

 本サイトのご利用にあたっては利用規約を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

 本サイトでは掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
新着情報 RSS
01/29 生命保険で節税
02/08 所得税の延納(利子税)で節税
09/26 経営セーフティ共済で節税
02/22 役員報酬(事前確定届出給与)で節税
02/19 不動産(再建築費評点基準表)で節税
新着情報を見る
節税対策ブログ
02/13 所得税確定申告で誤りの多い12項目(2019年度版)
01/29 死亡退職金の受取人(役員退職慰労金規程と相続税)
02/22 所得税確定申告で誤りの多い事例とは
02/02 クレジットカードポイント等の税務処理
02/01 ふるさと納税特産品と株主優待の税務処理
節税対策ブログを見る
アクセス数
今日:27
昨日:310
ページビュー
今日:28
昨日:944

ページの先頭へ移動