被合併法人の解散事業年度が、更正処分により欠損事業年度になった場合における法人税の欠損金の繰戻しによる還付請求書についても、合併による解散の事実が生じた日以後1年以内に提出しなければならないとされた事例
[法人税法][申告、納付及び還付等]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1998/09/03 [法人税法][申告、納付及び還付等] 請求人は、法人税の欠損金の繰戻しによる還付請求書(法人税法第81条)が合併による解散の事実が生じた日以後1年以内に提出できなかったのは、更正処分が当該期限を既に徒過していたのが原因であること、また、請求人は当該更正処分により本件事業年度が欠損事業年度になったため本件還付請求を提出したのであるから、更正処分の時期によって欠損金の繰戻しによる還付請求ができないのは不公平な取扱いであり法の趣旨に反する旨主張する。
しかしながら、内国法人につき合併による解散の事実が生じた場合における欠損金の繰戻しによる還付請求書は、合併による解散の事実が生じた日以後1年以内であればいつでも提出できることであって更正処分がなければできないものではないこと、一件記録を精査してみても請求人がその責に帰すべからざる事由を見いだすことはできないこと、欠損金の還付請求が期限を徒過した場合のゆうじょ規定も存しないこと及び更正処分は国税通則法第70条“国税の更正、決定等の期間制限の特例”に規定する期限内であればこれをなし得るものであり、合併による解散の事実が生じた日から1年以内にこれをしなければならないとする規定も存しないことから、請求人の主張には理由がない。
平成10年9月3日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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