国内事業に関して発生した為替差益の付替え相当額は、親会社との契約に基づき同社に帰属すべきものであるから、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであるとの請求人の主張を排斥した事例
[法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1988/12/15 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][寄付金]裁決事例集 No.36 - 113頁
国内事業に関して生じた為替差損益部分に相当する額を収益金又は負担金として親会社に帰属させることを内容とする契約は、請求人の事業の特殊性からみて経済的合理性のあるものであり、この契約に基づき負担した金員は、国内事業の所得の計算上損金の額に算入されるべきであると請求人は主張するが、請求人の日本支店が親会社へ邦貨又は外貨で支払ったとする事実も認められず、単に会計帳簿上の振替処理であることなどからみて、本件為替決済差益等の額について請求人の日本支店から親会社に至るまでの付替え経理は、当事者間における単なる資金移転取引であると解されるから、当該資金の移転に関連して請求人及び親会社の双方に損失又は利益は生じないと認めるのが相当である。
昭和63年12月15日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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