滞納法人が行った債権放棄と同法人の滞納国税の徴収不足との間に基因関係が認められるとした事例
[国税徴収法][第二次納税義務][無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1991/03/29 [国税徴収法][第二次納税義務][無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務]裁決事例集 No.41 - 339頁
請求人は、滞納法人の滞納国税の徴収不足は、請求人が債権放棄を受けたことに基因するものではない旨主張するが、原処分庁が滞納法人に対し、差押え等の執行ができた昭和59年1月17日の時点における滞納法人の主な資産はB社に対する貸付金及び手形債権であったことが認められるけれども、当時、B社は、事実上の倒産状態にあり、その実質的な資力を喪失していたことが認められ、したがって、原処分庁が、滞納法人がB社に対して有する債権の差押えをしてもその回収が見込めず、本件滞納国税を徴収できなかったことは明らかであるし、また、徴収法第39条に規定する徴収不足と無償譲渡等との間の基因関係について、同条の解釈としては、当該無償譲渡等の処分がなかったならば、徴収不足を生じなかったであろうということができる場合には、基因関係を認めるのが相当であるとされているところ、B社に係る債権債務を除いた滞納法人の純資産は84,297,111円であるのに、滞納法人が行った債権放棄の金額は67,792,041円となることが認められ、この債権放棄がなければ本件滞納国税にかかる徴収不足は生じなかったであろうということがいえるから、本件債権放棄と本件滞納国税の徴収不足との間の基因関係を認めることができるというべきである。
平成3年3月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 滞納法人が行った債権放棄と同法人の滞納国税の徴収不足との間に基因関係が認められるとした事例
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