源泉所得税の納税告知等の違法を理由として差押えの取消しを求めることはできないとした事例
[国税徴収法][総則]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1991/12/18 [国税徴収法][総則]裁決事例集 No.42 - 245頁
納税告知は、既に確定した納付すべき源泉所得税の額を明らかにするとともに納税義務を履行するよう請求する処分であり、不納付加算税の賦課決定は同税の納税義務の確定を目的とする処分であるのに対し、差押えは既に確定している納税義務の強制的な履行を目的とする処分であるから、本件納税告知等と本件差押えとは、それぞれ別個の法律効果を目的とする独立した行政処分であり、したがって、仮に本件納税告知等に違法があったとしても、当該納税告知等が無効となるような重大かつ明白なかしがない限り、そのことにより本件差押えが違法となるものではないと解すべきであるところ、請求人は、本件滞納国税の額の確定に誤りがあり、これに基づく本件納税告知等が違法であることを理由として本件差押えの取消しを主張するが、本件納税告知等に重大かつ明白なかしはなく、かつ、その取消しもなされていないことが認められ、また、本件差押え自体については、国税徴収法第47条及び第73条の規定に基づいて適法になされていることが認められるから、本件納税告知等の違法を理由として本件差押えの取消しを求める請求人の主張は、失当である。
平成3年12月18日裁決
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