「却下」の異議決定を誤りとし、適法な異議申立ての決定があったものとして、審査請求を適法であるとした事例
[国税通則法][不服審査]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2013/09/03 [国税通則法][不服審査]《要旨》 原処分庁は、請求人の異議申立て(本件異議申立て)は異議申立書(本件異議申立書)の記載不備を期限までに補正しなかったため、不適法であるとして却下の決定(本件却下決定)を行っていることから、請求人は国税通則法(通則法)第75条《国税に関する処分についての不服申立て》第3項に基づき審査請求をすることはできず、請求人の審査請求(本件審査請求)は不適法なものとして却下されるべきである旨主張する。
しかしながら、本件異議申立書の記載不備は、原処分庁が職権で補正事項を補正しなければならなかった軽微なものであるし、また、本件異議申立ては、原処分庁の行った債権の差押処分があった日の翌日から起算して1年を経過した後になされているが、通則法第77条《不服申立期間》第4項ただし書の「正当な理由」があると認められることから、本件却下決定は違法であり、本件審査請求は適法な異議申立てを経たものである。
《参照条文等》 国税通則法第75条、第77条
《参考判決・裁決》 福島地裁昭和29年12月6日判決(行集5巻12号2831頁)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 「却下」の異議決定を誤りとし、適法な異議申立ての決定があったものとして、審査請求を適法であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(国税通則法>不服審査)
- 「却下」の異議決定を誤りとし、適法な異議申立ての決定があったものとして、審査請求を適法であるとした事例
- 所有権のない者からの公売処分等に対する審査請求を不適法とした事例
- 滞納法人の破産管財人から債権譲渡の否認を求める訴訟が提起されたことは、国税通則法第77条第3項の「やむを得ない理由」には当たらないとした事例(譲渡担保権者の物的納税責任に関する各告知処分及び債権の各差押処分・却下・平成26年10月22日裁決)
- 委託売却による売却通知が処分に当たることを前提に、不服申立ての利益がないことを理由に審査請求を却下した事例(委託売却による売却通知処分・却下・平成27年4月8日裁決)
- 審査請求に係る審理の対象は客観的に存在していた本件事業年度の法人税の課税標準又は税額との比較における本件更正処分に係るそれらの多寡であるから、請求人が原処分の取消し(申告額を超えない部分を除く。)を求める理由として過大申告を主張することは許されるとした事例
- 審査請求人の主張事由は、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由とするものであるとして、その主張を排斥した事例
- 更正の申出に対してなされた減額の更正処分に対する審査請求は審査請求の利益を欠き不適法であるとした事例(平成22年分の所得税の更正処分及び無申告加算税の賦課決定処分・棄却、却下・平成25年12月19日裁決)
- 国税通則法第105条第1項にいう換価には債権の取立て及び配当を含まないものとした事例
- 二次相続に係る本件更正処分は、一次相続に係る裁決における取消し理由と同じ理由で行なわれたものではなく、また、一次相続に係る処分とは別個の二次相続に係る処分であるから違法ではないとした事例
- 課税処分に対する審査請求中に行われた差押処分が適法であるとした事例
- 原処分の取消しを求める不服申立てが処分の無効を理由とするものであっても、不服申立期間を遵守しなければならないとした事例
- 更正の後、租税特別措置法第37条の2“特定の事業用資産の買換えの場合の更正の請求、修正申告等”第2項に基づき、いわゆる義務的修正申告をした場合、当該更正に対する不服申立ての利益は失われるとした事例
- 債権差押処分の名あて人である請求人は不服申立適格を有するが、差押処分の対象となった債権が自己に帰属しない旨の主張は、自己の法律上の利益に関係のない違法をいうものであり理由がないとした事例
- 申告内容と齟齬する事由を取消事由として主張することは許されるとした事例
- 督促後に納税地の異動があった場合の異議申立ては当該督促をした税務署長に対してなすべきであるとした事例
- 差押債権の第三債務者には債権差押えの取消しを求める法律上の利益がないとした事例
- 被差押債権の第三債務者は、当該差押処分に対して審査請求ができる法律上の利益を有しないとして審査請求を却下した事例
- 無申告加算税を賦課決定すべきところ誤って過少申告加算税を賦課したため、これを零円とする変更決定処分をした後、改めて無申告加算税の賦課決定処分を行った場合に、変更決定前の過少申告加算税の賦課決定処分について異議申立てがされているときには、無申告加算税の賦課決定処分について異議申立てをせずに審査請求をすることができる「正当な理由」があるとした事例
- 国税還付金の振込通知は国税に関する法律に基づく処分に当たらないとした事例
- 債権差押処分に対して、被差押債権が請求人に帰属しないことを理由とする審査請求は、原処分の取消しを求めることに法律上の利益を有しないとして却下した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。