役務の提供等の完了前に請求書の発行を受ける等、通常と異なる処理を行った行為は、事実を仮装したものと認めた事例(平23.2.1〜平24.1.31の事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分、平23.2.1〜平24.1.31の課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成26年10月28日裁決)
[国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2014/10/28 [国税通則法][附帯税][重加算税][隠ぺい、仮装の認定]《要旨》 請求人は、翌期の経費として計上すべき修繕工事等の費用及び備品等の購入費用を当期の経費として計上したことについて、単なる経理処理の誤りで、修繕工事等の一部は事業年度末までに役務の提供が完了しており、また、修繕工事等の費用及び備品等の購入費用が翌事業年度に支払われていることなどからすると、帳簿書類の虚偽記載等には該当しないから、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する事実を仮装したものではない旨主張する。
しかしながら、事業年度末までに役務の提供が完了していないにもかかわらず、修繕工事等の役務の提供や備品等の引渡しの完了より前に請求書の発行を受ける等、通常と異なる処理を行うことにより故意に事実をわい曲した請求人の行為は、事実を仮装したものと認められる。なお、修繕工事等の一部は事業年度末までに役務が完了していることから、当該完了部分については、事実を仮装したものとは認められない。
《参照条文等》 国税通則法第68条第1項
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 役務の提供等の完了前に請求書の発行を受ける等、通常と異なる処理を行った行為は、事実を仮装したものと認めた事例(平23.2.1〜平24.1.31の事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分、平23.2.1〜平24.1.31の課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分・棄却、一部取消し・平成26年10月28日裁決)
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(国税通則法>附帯税>重加算税>隠ぺい、仮装の認定)
- 請求人が行った「ゴルフ会員権を会員権業者を介して知人に譲渡した取引」は、請求人が譲渡損失を作り出して所得税の軽減を図ることを目的とした仮装取引であると認められるから、重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例
- 本件相続開始直後、請求人自らが被相続人名義の証書式定額郵便貯金を解約して、新たに開設した請求人ら名義の通常郵便貯金口座に預入し、その存在を確知しているにもかかわらず、後に開設した相続財産管理口座には被相続人名義の通帳式郵便貯金を解約した金額のみを預入し、証書式定額郵便貯金を除外して相続税の確定申告をした請求人の行為は、事実を隠ぺいした場合に該当するとした事例
- 超過勤務に係る従業員給料をあえて外注工賃に科目を仮装し、外注工賃勘定として計上していたことなどから隠ぺい行為を認定した事例
- 請求人が行った屋号による取引は仮名取引であり、当該取引を収入金額とせず過少に納税申告書を提出していた事実は、重加算税の賦課要件を満たすとした事例
- 請求人の事業、取引の内容を詳細に認定した上で、関係者の供述の信用性の有無を判断し、隠ぺい・仮装の事実を認めた事例
- 課税仕入れに計上した取引は架空であるとした事例
- 顧問契約を締結している税理士が、重加算税の課税要件を満たす過少申告をした場合、これを請求人が認識していたか否かにかかわらず、請求人は重加算税を負うとした事例
- 隠ぺいされていた相続財産の存在を了知していなかった相続人に重加算税を賦課するのは相当でないとした事例
- 重加算税の賦課要件を充足するためには、過少申告行為とは別に隠ぺい又は仮装と評価すべき行為の存在を必要としているものであると解されるところ、原処分庁は隠ぺい又は仮装であると評価すべき行為の存在について何らの主張・立証をしておらず、隠ぺい又は仮装の事実を認めることはできないとした事例
- 請求人は、調査担当者から指摘されて提出した被相続人名義の有価証券等について、相続開始後にその利息及び償還金をすべて受領し、現金化して費消していることなどからすると、本件有価証券等の存在を知りながらこれを除外し、過少な相続税の申告書を作成・提出したものと認められ、当該行為は、事実を隠ぺいした場合に当たるとした事例
- 請求人が専従者給与を支給したとして事業所得の金額の計算上必要経費に算入したことに隠ぺい・仮装の事実があったとして行った重加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例
- 所得税の重加算税の賦課決定について、納税申告書の提出等の時点において、納税者が課税庁等に対し、自己が行った隠ぺい又は仮装の事実を知らせていたとしても、重加算税の課税要件には何ら影響しないとした事例
- 所得を過少に申告するという確定的な意図について、請求人には外部からもうかがい得る特段の行動があったとは認められないから、隠ぺい又は仮装があるとはいえず重加算税を賦課することは相当でないとした事例
- 請求人は本件譲渡代金のうち少なからぬ部分を債務の弁済に充てていない上、相当の価値を有する不動産等を所有しており、資力喪失に伴う資産の譲渡とはいえないが、隠ぺい仮装の故意は認められないとした事例
- 特定退職金共済制度の導入に伴う過去勤務債務分を特別賞与として損金に算入し、従業員の代表者名義の預金を設定した行為が所得金額の隠ぺい又は仮装に当たらないとした事例
- 請求人以外の共同相続人が行った相続財産の隠ぺい行為に基づく相続税の過少申告について、請求人に重加算税を賦課決定することができると判断した事例
- 建物の使用状況が記載された売買契約書に基づき確定申告書を提出したことのみをもって、重加算税の賦課要件(隠ぺい又は仮装)に当たるということはできないとした事例
- 居住の用に供していない譲渡物件の所在地に住民登録をしていた者が、納税相談時に担当職員に虚偽の申立てをする等し、申告書を作成させ提出したことは、隠ぺい又は仮装の行為に該当するとした事例
- 請求人の取引先8社との16の取引について、本件事業年度中に納品あるいは役務の提供がなされておらず、また、請求人の各担当者は、その事実を承知した上で、経費等の根拠となる納品書、請求書等の発行を取引先に依頼し、これを提出させ、あたかも本件事業年度中に納品等を行ったごとく装ったものであり、当該担当者の積極的な行為によって故意に事実を仮装したものであるとした事例
- 使用人の詐取行為における隠ぺい、仮装行為について、請求人自身の行為と同視することはできないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。