所得税法第216条の納期の特例の承認を受けた者(納期の特例適用者)の納税告知に係る不納付加算税の計算の基礎となる税額は、その法定納期限までに納付されなかった税額、つまり、1月から6月まで及び7月から12月までの各期間に支払われた給与等に係る未納の源泉所得税額の合計額となるとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
1997/06/30 [国税通則法][附帯税][不納付加算税] 請求人は、納期の特例適用者であっても、各月の徴収税額を各期間の属する最終月の翌月10日ではなく、それぞれの月の翌月の10日に納付することもでき、各期間の属する最終月の翌月10日までに納付しない月があった場合には、各月ごとの未納源泉所得税額を基礎として不納付加算税額を計算すべきであるとし、請求人の不納付加算税額を各月の源泉所得税額を基礎として計算すると、各月の源泉所得税額は40,000円、不納付加算税の額は各月の源泉所得税額に不納付加算税の割合100分の10を乗じて計算した4,000円となり、同額は国税通則法第119条(国税の確定金額の端数計算等)第4項により全額が切り捨てられることになるので、本件不納付加算税の賦課決定処分は違法である旨主張する。
しかしながら、納税告知に係る不納付加算税の額は納税告知処分によって納税を告知された税額に100分の10の割合を乗じて算出されるのであって、このことは納期の特例適用者であっても異なるところはなく、納期の特例適用者について不納付加算税の計算の基礎となる税額の算定について異なる扱いをする旨定めた規定はなく、所得税法第216条(源泉徴収に係る所得税の納期の特例)は、同法第183条(源泉徴収義務)第1項に規定する法定納期限である徴収月の翌月の10日に代えて、1月から6月まで及び7月から12月までの各期間の属する最終月の翌月10日をもって法定納期限と規定したものであり、法定納期限として各月の翌月の10日を選択できることを意味するものではないと解される。本件端数計算規定は、税負担の公平に反しない限度において計算等の簡易化を図り、税務行政の能率化及び経済化に資しようというものにすぎないから、納期の特例の承認を受けているか否かで本件端数計算規定の適用を受けられるか否かに違いが生じることがあっても、そのことをもって公平さを欠くとまでは言い難く、納税告知処分に係る不納付加算税の額は納税告知処分によって納税を告知された税額に100分の10の割合を乗じて算出すべきであるとした原処分は相当である。
平成9年6月30日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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