店舗を開設するに当たり、前の賃借人に支払った本件金員は、繰延資産たる「資産を賃借するために支出する費用」に該当するものであり、その償却期間は、店舗が設置されている建造物の耐用年数を基に見積もるべきであるとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
1988/06/21 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][減価償却資産の償却等]裁決事例集 No.35 - 115頁
請求人が店舗の開設に当たり、当該店舗の前の賃借人に支払った金員は、店舗を賃借して使用するために支出する権利金に類似する必須の費用であるということができ、法人税法施行令第14条第1項第9号ロに規定する繰延資産に該当する。また、当該店舗の設置されている建造物は、鉄筋コンクリート造りの高架線路(構築物で鉄道業用の橋りょう)であるところから、その存廃が高架線路と同じくすると認められるので、その償却期間は、高架線路の耐用年数から計算される見積残存耐用年数を基として算定することが相当である。
昭和63年6月21日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 店舗を開設するに当たり、前の賃借人に支払った本件金員は、繰延資産たる「資産を賃借するために支出する費用」に該当するものであり、その償却期間は、店舗が設置されている建造物の耐用年数を基に見積もるべきであるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(法人税法>所得金額の計算>損金の額の範囲及び計算>減価償却資産の償却等)
- 工事移転のために支出した費用のうち、既存設備の移転費用及び少額減価償却資産の取得費用は損金の額に算入されるとした事例
- 保冷施設は、建物に固着した内部造作物であるから、冷蔵業用設備の耐用年数ではなく、冷蔵倉庫用建物の耐用年数を適用するのが相当であるとした事例
- 貸室の入居に当たり前賃借人から買い取った造作及び備品の買取費用は、その造作及び備品をすぐ取り壊し、新たな造作を取得したこと等からみて、繰延資産に該当するとした事例
- 地方公共団体に対する寄付金として支出した金員は、請求人が建設を予定しているゴルフ場の開発行為に伴う実質的な負担金であるから、繰延資産に該当するとした事例
- リース会社から割賦で買い受け、同日当該リース会社にリースするとの契約により、当該資産につき、少額減価償却資産として、購入価額の全額を損金算入した経理処理について、これを認めなかった原処分は適法であるとした事例
- 欠損会社から有償取得した営業権の償却費について損金算入を認めた事例
- 耐用年数省令別表第一に基づき耐用年数を適用する場合には、新たな技術又は素材により製造等されたものであっても、個々の減価償却資産を同表に掲げる「種類」、「構造又は用途」及び「細目」の順に従って同表のいずれに該当するかを判断し、その該当する耐用年数を適用するとした事例
- 売買により取得した減価償却資産である特殊車両につき、その取得の日の属する事業年度において、一は車両登録を了していたが納車がなく、他は自動車検査証に代わる保安基準適合証等の交付もないことを理由にいずれも当該事業年度に事業の用に供されたものとはいえないとした事例
- 建物の売買契約において、譲受人が負担することとした当該建物に係る譲渡日以降の期間に対応する未経過分の固定資産税に相当する金額は、譲受けに係る資産の購入の代価を構成するものとして建物の取得価額に算入すべきとした事例
- 企業会計上ファイナンスリースは資産の取得を原則としていることから、機械設備に係る減価償却費の損金算入を認めるべきとする請求人の主張に対し、リース契約の内容及び取引の実態から判断すると通常の賃貸借取引に該当するとした事例
- 欠損会社から有償取得した開発費等の償却費は寄付金に当たるとした原処分を相当でないとした事例
- 欠損会社である被合併法人が有していた航路権は営業権に該当すると認定した事例
- 納付すべき消費税が決算期末において課税売上高及び課税仕入高を集計し算出されることをもって、直ちに消費税に係る経理処理が期末一括税抜経理方式を採用したことにはならないとした事例
- 自走式立体駐車場設備に適用すべき耐用年数は45年であるとされた事例
- 建物に設置された鋼製建具、木製建具、畳敷物及びユニットバス等は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第一の「建物」に該当するとした事例
- パチンコ遊技場経営に供されていた土地、建物の取得において営業権の取得があったとは認められないとした事例
- 店舗を開設するに当たり、前の賃借人に支払った本件金員は、繰延資産たる「資産を賃借するために支出する費用」に該当するものであり、その償却期間は、店舗が設置されている建造物の耐用年数を基に見積もるべきであるとした事例
- 請求人の行うリースバック取引が法人税法施行令第136条の3第2項に規定する実質的に金銭の貸借であると認められる一連の取引に該当するとした事例
- 建造引当権の償却開始の時期は、建造引当権付きの船舶を実際に就航させた時又は代替船舶を発注した時とみるのが合理的であるとした事例
- 建物附属設備のセール&リースバック取引を金融取引であると認定した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。