請求人がJ社から受領した金員は、請求人及びJ社を含む5社が各1,300万円を出資して構成した本件共同体(民法第667条の組合)が、土地等の譲渡をして得た譲渡益の分配金であるから、その構成員たる請求人が本件共同体から受領すべき金額は請求人の土地等の譲渡益であり、また、当該土地等の取得から譲渡までの期間は2年以下であるから、租税特別措置法第63条の2に規定する超短期所有に係る土地等の譲渡利益に該当するとした事例
[租税特別措置法][法人税法の特例][土地の譲渡等がある場合の特別税率][収益の額]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1996/06/26 [租税特別措置法][法人税法の特例][土地の譲渡等がある場合の特別税率][収益の額]本件共同体は、本件土地等の取引のために5社が各1,300万円を出資していること、5社のうち請求人を除く4社は本件土地等の取引を共同事業として認識していたこと、請求人の代表者も出資目的が本件土地等のリゾート開発事業のためであることを認めていること等を併せ考えると、本件土地等の取引について共同事業を営む旨の合意があったと認められるから民法第667条に規定する組合に該当する。また、請求人は、その構成員であると認めるのが相当である。
本件金員は、本件共同体により行われた本件土地等の譲渡による譲渡代金30億3,676万円(内砂代金6億円)のうち、請求人が受け取るべき金額6億666万円(内砂代金1億2,000万円)に係る利益の分配金である。
本件土地等の取得の日については、本件取得契約書上、土地等の代金の決済期日を昭和62年5月末日とし、引渡しは所有権移転登記申請手続及び売買代金授受の完了後遅滞なく当事者立会いの上これを行う旨定めており、現実には平成元年2月15日に所有権移転登記又は所有権移転請求権仮登記がされていること、売買代金の支払が平成元年2月27日に完結していること、本件清算書上も同日が取得日と記載されていること、請求人を除4社はいずれも同日を取得日と認識していたこと等の事実から、平成元年2月27日に本件土地の取得等があったものと認められる。
また、その譲渡の日については、本件共同体が本件売却契約書の日付である平成2年3月6日に買主との間で土地等の代金の授受が行われたものであるから同日が譲渡の日であると認められる。
そうすると、本件共同体による本件土地等の所有期間は2年以下となるから、租税特別措置法第63条の2(超短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率)に規定する超短期所有に係る土地等の譲渡に該当する。
本件土地等の譲渡代金のうち請求人が受け取るべき金額6億666万円のうち砂代金1億2,000万円については、本件共同体において、本件砂が現に採掘・精製されたものであり、本件土地から分離された別個の売買の対象とされていると認められること、また、砂利採取業者に周知されている取引価格に基づいて決定された陸砂の1立方メートル当たりの単価に本件砂の体積を乗じて算定された6億円のうちの請求人の収受すべき金額であることから本件土地等の譲渡代金6億666万円から控除するのが相当である。
そうすると、4億8,666万円が土地の譲渡価額となる。
平成8年6月26日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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