所得税更正処分取消請求控訴事件|昭和56(行コ)51
[所得税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
昭和57年12月23日 [所得税法]判示事項
1 所得税更正処分取消訴訟において,納税者が,異議申立てないし審査請求の段階で提示していなかった自己の営業に関する帳簿書類を,右訴訟提起後4年を経過した後に証拠として提出したことが,信義則に反するとはいえないとされた事例 2 所得税更正処分取消訴訟において,課税庁が実額で把握した収入金額に同業者の売上原価及び一般経費率を乗じて経費を算出する推計方法により所得金額を主張したのに対し,納税者が売上原価についてのみ実額の主張立証をした場合,右売上原価を同業者の売上原価率で除して得られた収入金額が課税庁の主張に係る収入金額をはるかに上回るときには,課税庁の主張に係る収入金額から右実額による売上原価を控除して所得金額を算出する方法は,合理的でなく採り得ないとした事例 3 所得税更正処分取消訴訟において,実額で把握した収入金額に同業者の売上原価及び一般経費率を乗じて経費を算出する推計方法による課税庁の所得金額の主張のうち収入金額について当事者間に争いがない場合にも,課税庁は,予備的推計方法として,納税者主張の売上原価を基礎として,これを同業者の売上原価率で除して当初主張していた右実額による収入金額を上回る収入金額を算出し,これによって所得金額を主張することが許されるとした事例- 裁判所名
- 大阪高等裁判所
- 事件番号
- 昭和56(行コ)51
- 事件名
- 所得税更正処分取消請求控訴事件
- 裁判年月日
- 昭和57年12月23日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
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