パチンコ遊技場業を営んでいる会社の売買に関し、当該会社の正味財産を超える金員を支払ったとしても、当該会社が存続し自ら営業をしていること等から、買主が支払ったその全額が当該会社の社員持分権の対価であって営業権の対価ではないことから、その支払額について営業権の取得の対価として減価償却をすることはできないとした事例
裁決事例(国税不服審判所)
1996/12/10 [法人税法][所得金額の計算][損金の額の範囲及び計算][減価償却資産の償却等] 請求人は、パチンコ遊技場を営む有限会社の社員持分の全部をパチンコ遊技場経営の権利と併せて1億5,800万円で譲り受け、当該会社の正味財産が1,030万円余りであったことから、1,100万円を当該会社への出資金として経理処理をするとともに、正味財産を超える1億4,700万円は、当該超過収益力に係る無形の財産的価値の見積額であり、将来の請求人の営業利益によって償却されるべき営業権の取得価額にほかならないとして、無形の減価償却資産である営業権の取得の対価として経理し、本件各事業年度において営業権の減価償却費735万円を損金の額に算入したことは正当な処理である旨主張する。
しかしながら、当該会社は継続してパチンコ遊技場業の許可を有してその営業を営んでいること等からすると、請求人が将来の期待利益である超過収益力を得るために当該会社の営業権を取得し、自らの事業の用に供してパチンコ遊技場を営んでいる事実は認められないから、当該会社の正味財産を超える金員を営業権の取得の対価として経理処理し、営業権の減価償却費を損金の額に算入することはできない。
平成8年12月10日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- パチンコ遊技場業を営んでいる会社の売買に関し、当該会社の正味財産を超える金員を支払ったとしても、当該会社が存続し自ら営業をしていること等から、買主が支払ったその全額が当該会社の社員持分権の対価であって営業権の対価ではないことから、その支払額について営業権の取得の対価として減価償却をすることはできないとした事例
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