法人税更正処分取消請求控訴事件|平成7(行コ)13
[法人税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。
行政事件裁判例(裁判所)
平成7年10月19日 [法人税法]判示事項
自己所有の土地を法人税法施行令5条1項5号ヘ,法人税法施行規則(昭和40年大蔵省令第12号)4条の2により収益事業に該当しない不動産貸付業(以下「低廉住宅用地貸付業」という。)に係る貸付けに供していた宗教法人が借地権譲渡の承諾料として得た収入は,新たな貸付けが収益事業とされる不動産貸付業に該当する場合には,法人税法4条1項の収益事業に係る収入に該当するとしてした更正が,適法とされた事例裁判要旨
法人税法施行令5条1項5号へが公益法人等が低廉な対価で住宅の用に供する土地を貸し付けることによって得る所得を非課税としたのは,このような貸付業は他の営利業者との間で競合関係が生ずることが少なく,課税上の不均衡等の弊害が生じないことを顧慮したことによるから,同規定に定める低廉住宅用地貸付業に係る収入に該当するかどうかは,当該収入の基因となった貸付けが,同収入を収受した時点における当該土地の利用状況に照らして,低廉住宅用地貸付業に係る貸付けとしての要件を満たし,他の営利法人との間で競合関係が生じないといえるものであるかどうかによって判断するのが相当であるところ,自己所有の土地を低廉住宅用地貸付業に供していた宗教法人が借地権譲渡の承諾料として得た収入は,新借地人との間に新たな賃貸借関係を設定するための対価としての実質を有するから,賃貸人である前記宗教法人の新借地権者に対する新たな貸付けに基因するものというべきであり,その新たな貸付けが収益事業とされる不動産貸付業に該当する場合には,他の営利企業との間で競合関係が生じ得る状態になったものといえるから,これを収益事業に係る収入として益金の額に算入しなければ,課税上の不均衡が生ずることになるとして,前記承諾料として得た収入は低廉住宅用地貸付業による収入に該当せず法人税法4条1項の収益事業に係る収入に該当するとしてした更正が,適法とされた事例- 裁判所名
- 東京高等裁判所
- 事件番号
- 平成7(行コ)13
- 事件名
- 法人税更正処分取消請求控訴事件
- 裁判年月日
- 平成7年10月19日
- 分野
- 行政
- 全文
- 全文(PDF)
- 裁判所:行政事件裁判例
- 法人税更正処分取消請求控訴事件|平成7(行コ)13
関連するカテゴリー
関連する裁決事例(法人税法)
- 請求人の費用計上に取引先との通謀や水増しがなく、過大に計上していないとした事例
- 不動産賃貸借契約締結に当たって、差入保証金の一部を返還しないこととしていた契約を、後日、中途解約の場合にのみ当該一部を返還しない契約に改めた場合、既往において課税された差入保証金の返還不要部分は取り消されるべきであるとする請求人の主張を排斥した事例
- 本件土地の譲渡価額は、請求人の主張する不動産売買契約書(甲契約書)に基づく金額ではなく、これとは別に存在する不動産売買契約書(乙契約書)が真正なものと認められるから、同契約書上の金額から実測により減額された金額を差し引いた金額とするのが相当であるとした事例
- 保冷施設は、建物に固着した内部造作物であるから、冷蔵業用設備の耐用年数ではなく、冷蔵倉庫用建物の耐用年数を適用するのが相当であるとした事例
- 従業員及び常務取締役が行った売上除外に係る法人税の更正処分等について、横領損失と損害賠償請求権に係る収益は同一事業年度に計上すべきであるとした事例
- 簿外の売上金等から支出した功労金及び支払利息は、事業年度末において、債務が確定しているとはいえず、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入することができないとした事例
- 土地の取得に際して売主に支払った固定資産税等に相当する金額は当該土地の取得価額に算入すべきであるとした事例
- 有料老人ホームの入居者が支払う入居一時金につき、入居契約に基づいて収受した日の属する事業年度の益金の額に算入すべきであるとした事例
- 造林に要したぶ育費及び管理費を損金の額に算入しても違法ではないとした事例
- 適正退職給与の額を功績倍率法により算出すべきであるとの原処分庁の主張を退け、1年当たり平均額法により算出することが相当であるとした事例
- 休業中法人を合併存続法人、稼働法人を被合併法人としたいわゆる逆合併につき、法人税法第132条を適用し、合併存続法人の繰越欠損金を損金の額に算入することはできないとした事例
- 合併存続法人に生じた欠損金額を被合併法人の所得金額を対象として欠損金の繰戻請求を認めるべきであるとの請求人の主張に対して、合併存続人と被合併法人では法人格が異なることから還付請求は認められないとして、これを排斥した事例
- 同族関係者で一定割合の株式を所有する使用人に支給した賞与は役員賞与に該当しないとした事例
- 有価証券の売買契約において、条件付で売買価額を決定し、条件不成就ならば代金の一部を返還することとしている場合、条件不成就により返還された金員は、譲受人に発生した損害の補てん金ではなく、売買代金の返還であるとした事例
- 請求人名義の車両を代表者に対し贈与等をした事実はなく給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらしたとは認められないとした事例
- 納付すべき消費税が決算期末において課税売上高及び課税仕入高を集計し算出されることをもって、直ちに消費税に係る経理処理が期末一括税抜経理方式を採用したことにはならないとした事例
- 電気使用料の計量誤りにより過大に支払った電力使用料等の返還金は、その返還を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入することが相当であるとした事例
- 紛争を回避するために支払う金員は当該紛争を回避することにより利益を受ける者が負担すべきであるところ、請求人が支払手数料名目で支払った金員は受注先が紛争を回避するための支出であって請求人が負担すべき費用ではないから、受注先への経済的利益の供与であり、寄付金に該当するとした事例
- 地方公共団体に対する寄付金として支出した金員は、請求人が建設を予定しているゴルフ場の開発行為に伴う実質的な負担金であるから、繰延資産に該当するとした事例
- 請求人が請求人の代表者の母及び義姉に支払った外注費は請求人の代表者に対する経済的利益の供与と認めるのが相当であるが、このうち毎月定額支給した金額は役員報酬として損金算入すべきであるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。