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法人税更正処分等取消請求事件|平成9(行ウ)260

[法人税法]に関する行政事件裁判例(裁判所)。

行政事件裁判例(裁判所)

平成13年3月2日 [法人税法]

判示事項

住宅金融専門会社の母体行であった銀行が同会社に対する貸付債権を放棄して同債権相当額を当該事業年度の損金の額に算入して青色確定申告をしたことに対して,同債権相当額は当該事業年度の損金の額に算入することができないとしてした法人税の更正が,違法とされた事例

裁判要旨

住宅金融専門会社の母体行であった銀行が同会社に対する貸付債権を放棄して同債権相当額を当該事業年度の損金の額に算入して青色確定申告をしたことに対して,同債権相当額は当該事業年度の損金の額に算入することができないとしてした法人税の更正につき,前記債権相当額を当該事業年度において損金の額に算入することができるかどうかは,前記債権が当該事業年度終了時点までにその全額が回収不能となっていたかどうかに係るものであるところ,法的措置を講ずれば,ある程度の回収を図れる可能性がないとはいえない場合においても,債務者の負債及び資産状況,事業の性質,債権者と債務者との関係,債権者が置かれている経済的状況,強制執行が可能な債務名義が既に取得されているか否か,これを取得していない場合には,債務者が債権の存在を認めているか否かなど債務名義取得の可能性の程度やその取得に要する費用と時間,強制執行が奏功する可能性とその程度,法的措置をとることに対する債務者等の利害関係人からの対抗手段等の発生が予想されるリスクとの対比等諸般の事情を総合的に考慮し,法的措置を講ずることが,有害又は無益であって経済的にみて非合理的で行うに値しない行為であると評価できる場合には,もはや当該債権は経済的に無価値となり,社会通念上当該債権の回収が不能であると評価すべきであるとした上,前記会社の資産は一般行及び農協系統金融機関の債権についてさえその全額を弁済するには不足していた上,いわゆる住専処理問題は政治問題化し世間の注目を集めていたところ,前記銀行は農協系統金融機関から信義則上の責任を追及されかねない立場に陥っており,これを避けるには前記債権を放棄するしかないと認識し,これを公にしており,前記認識は関係者間の共通の認識であったことなどからすると,前記銀行は当該事業年度末までの間に前記債権を回収することが事実上不可能となっていたというべきであるから,前記債権は当該事業年度において,社会通念上回収不能の状態にあったものというべきであり,仮に,回収不能の状態でないとしても,債権放棄の理由が,単なる任意の利益処分にとどまらず,経済的にみて合理的であり,税法上これを損金と評価しないことが前記銀行に対して経済的にみて無益又は有害な行動を強いることとなるなど不合理な結果を招くと認められる場合には,その無償性を否定し,寄附金に該当しないとし得るものというべきであるところ,前記債権放棄の理由は,経済的にみて合理的であって,これを損金と評価しないことは,前記銀行に対して経済的にみて無益かつ有害な行動を強いる結果を招くこととなると考えられ,これを無償による経済的利益の供与として損金算入を否定することはできず,前記銀行は前記債権放棄によってその債権相当額の損失を受けたものと評価すべきものであり,前記債権相当額を損金の額に算入してした確定申告は適法であるとして,前記更正を違法とした事例
裁判所名
東京地方裁判所
事件番号
平成9(行ウ)260
事件名
法人税更正処分等取消請求事件
裁判年月日
平成13年3月2日
分野
行政
全文
全文(PDF)
裁判所:行政事件裁判例
法人税更正処分等取消請求事件|平成9(行ウ)260

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