第一種市街地再開発事業に係る権利変換により取得した施設建築物及び施設建築敷地に関する権利を譲渡した場合に、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の課税の特例を認めなかった事例
[租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2001/03/15 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例] 第一種市街地再開発事業は権利変換方式により行われるため、同事業施行地内の土地等は、権利変換期日において施設建築物の権利床及び保留床並びに施設建築敷地に変換され、従前の権利関係は消滅するから、事業施行者にとって事業の用に供すべき土地等は、権利変換期日に確保されたこととなる。
そうすると、租税特別措置法第31条の2第1項の規定(本件特例)及び同条第2項第4号が制定された目的及び経緯並びに第一種市街地再開発事業の目的とを踏まえると、本件特例の適用対象となる租税特別措置法第31条の2第2項第4号に規定する「第一種市街地再開発事業の用に供される土地等の譲渡」とは、第一種市街地再開発事業の施行の前段階である事業用地の確保に資する譲渡、すなわち、権利変換期日以前の譲渡に限られるものと解される。
これを本件についてみると、本件権利の譲渡は、本件権利変換期日後の譲渡であるから、本件権利の譲渡に係る所得税額の計算上、本件特例の適用は認められない。
平成13年3月15日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 第一種市街地再開発事業に係る権利変換により取得した施設建築物及び施設建築敷地に関する権利を譲渡した場合に、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の課税の特例を認めなかった事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(租税特別措置法>所得税法の特例>譲渡所得の特例>長期譲渡所得に係る課税の特例)
- 本件土地の譲渡は、買取り等の申出日から6月経過後の収用であるから、租税特別措置法第33条の4第3項第1号の規定による5,000万円控除の特例が適用できないとした事例
- 請求人がした国に対する土地の譲渡は、国からの買取り等の申出のあった日から6か月を経過した日までに行われたものではないので、収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除の特例は適用できないとした事例
- あっせん手続等の一部が実施要領に従っていなかったとしても、そのことが特別控除の趣旨目的を滅却させるほど重大であるとまではいえない場合には、あっせん証明書が取り消されない限り、有効な証明書として特別控除の適用は認められるが、実体が伴っているかどうかの判断は最終的には課税庁の判断にゆだねられているとした事例
- 土地の譲渡者が都市計画法に基づく開発行為の許可を受け、造成者が当該許可を受けていない場合には、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例は適用されないとした事例
- 譲渡土地上に建設された中高層の耐火共同住宅に係る検査済証の建築主は、Z社と当該土地の譲受人以外のH社であるから、当該土地の譲渡について租税特別措置法第31条の2第2項第9号(現行法は第11号)の規定が適用できないとして請求人の主張を排斥した事例
- S線P・T間線路建設工事のための借家権の譲渡は、最初に買取りの申出があった日から6か月を経過した日後に行われているので、租税特別措置法第33条の4の適用はないとした事例
- 仮住居補償金及び移転補償金を対価補償金と認めず、また、収益補償金と同様な取扱いをすることはできないとした事例
- 収用等された資産が譲渡損失となっている場合には収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例は適用できないとした事例
- 地方税法附則第29条の5第1項に規定する長期営農継続農地として認定を受けた農地につき、その譲渡者が都市計画法に基づく開発行為の許可を受け、譲受者が当該許可を受けていない場合には、その譲渡は租税特別措置法施行令第20条の3第2項第1号に掲げる土地等の譲渡(租税特別措置法第31条の2第2項第4号に掲げる土地等の譲渡)に該当せず、特定市街化区域農地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例は適用されないとした事例
- 仮換地の指定変更は、土地区画整理事業の遂行の必要性から行われたものではなく、私人間の仮換地の交換に基づく指定変更願により行われたものであるから、租税特別措置法第33条の3の規定の適用はないとされた事例
- 借地権を消滅させ更地として譲渡した土地の概算取得費は総収入金額から借地権相当部分の収入金額を控除して計算すべきであるとした事例
- 保証債務を履行するために譲渡した資産の長期譲渡所得の計算上収入金額から控除する概算取得費につき原処分を相当でないとした事例
- 本件土地の買主が当該土地を転売しているので、租税特別措置法第31条の2第2項第9号に該当しないとして請求人の主張を排斥した事例
- 長期間借家していた建物及びその敷地を取得しその直後に譲渡した場合の譲渡所得は分離短期譲渡所得に該当するとした事例
- 第一種市街地再開発事業に係る権利変換により取得した施設建築物及び施設建築敷地に関する権利を譲渡した場合に、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の課税の特例を認めなかった事例
- 特定市街化区域農地である旨の書類の交付が受けられない土地の譲渡については租税特別措置法第31条の2の規定の適用はないとした事例
- 租税特別措置法第33条の4第3項第1号に規定する公共事業施行者とは事業認定を受けた後の事業者であると限定的に解することはできないとした事例
- 収用等がされる土地の上に存しない建物に係る移転補償金は、収用交換等の場合の譲渡所得等の特別控除の特例の適用対象となる補償金には該当しないとした事例
- 譲渡した土地の譲受人とその土地に関し開発許可を受けて開発行為をした者とが異なっているから、当該譲渡について租税特別措置法第31条の2の規定は適用できないとした事例
- 借家権の譲渡は、長期間保有等の事情があっても、租税特別措置法第31条に規定する「土地等又は建物等の譲渡」に当たらないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。