譲渡土地上に建設された中高層の耐火共同住宅に係る検査済証の建築主は、Z社と当該土地の譲受人以外のH社であるから、当該土地の譲渡について租税特別措置法第31条の2第2項第9号(現行法は第11号)の規定が適用できないとして請求人の主張を排斥した事例
裁決事例(国税不服審判所)
1996/05/20 [租税特別措置法][所得税法の特例][譲渡所得の特例][長期譲渡所得に係る課税の特例] 請求人は、譲渡土地上に建設した中高層の耐火共同住宅に係る検査済証の建築主をZ社とH社の連名にしたのは、請求人が関知しないものであり、また、租税特別措置法第31条の2(優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)の立法趣旨である優良住宅地の供給に寄与していることから、同条第2項第9号が適用されるべきである旨主張する。
しかしながら、租税特別措置法第31条の2第2項第9号は、一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅(特例建物)の建設を行う個人又は法人に対する土地の譲渡で、当該土地が特例建物の用に供されるもののうち、大蔵省令で定めるところにより証明がされたものをいう旨規定していることから、当該土地の譲受人以外の者が特例建物を建設した場合には、本件特例が適用できないと解される。
また、租税特別措置法施行規則第13条の3第1項第9号ハは「当該一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅に係る建築基準法第7条第3項に規定する検査済証の写し」と規定していることから、本件特例適用に係る証明書(適正な申請、届出に基づいて発行されたものに限る。)により、当該土地の譲渡が優良住宅地等の譲渡に該当することについて証明されなければ、本件特例が適用できないと解される。
ところで、請求人が提出した特例建物に係る検査済証によれば、特例建物は、Z社とH社(本件土地の譲受法人でもなく、Z社との合併法人でもない。)の共同建設であることから、本件土地の譲渡は、租税特別措置法第31条の2第2項第9号の適用対象となる譲渡に該当しないこととなるので、同条第1項の規定の適用がないとして行った更正処分は適法である。
平成8年5月20日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 譲渡土地上に建設された中高層の耐火共同住宅に係る検査済証の建築主は、Z社と当該土地の譲受人以外のH社であるから、当該土地の譲渡について租税特別措置法第31条の2第2項第9号(現行法は第11号)の規定が適用できないとして請求人の主張を排斥した事例
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