代償債権の評価に当たり、その一部は、回収が著しく困難であると認定した事例
[相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2002/11/28 [相続税法][財産の評価][土地及び土地の上に存する権利] 原処分庁は、本件代償債権(被相続人が、審査請求人Fを債務者として、第一次相続で取得した代償分割に係る債権)は、返済期限等の定めがなく、Fには経常的な所得が年間約1000万円前後あるので、回収不可能とはいえない旨主張する。
しかしながら、Fが、仮に年間所得金額の全額を代償債務の返済に充てたとしても返済完了まで55年の期間を要することから、とうてい本件代償債権の全額が回収可能である債権であるとはいえない。
したがって、本件代償債権の価額の評価に当たっては、財産評価基本通達205の定めに基づき、相続開始時におけるFの正味財産の価額を限度とし、回収が著しく困難であると見込まれる当該財産の価額を超える部分の金額については、本件代償債権の元本に算入しないとすることが相当である。
平成14年11月28日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 代償債権の評価に当たり、その一部は、回収が著しく困難であると認定した事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>財産の評価>土地及び土地の上に存する権利)
- 相当の地代を支払っている場合の借地権は、贈与財産である株式の純資産価額の計算上、株式の発行会社の資産の部に算入するとした事例(平成24年分贈与税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・一部取消し・平成27年3月25日裁決)
- 相続によって取得した土地が無道路地に当たらないとした事例
- 雑種地の価額を宅地比準方式により評価したのは相当であるとされた事例
- 取引相場のない株式の評価を類似業種比準方式で行うに当たって、評価会社の1株当たりの配当金額及び利益金額を最大5年間までさかのぼって算定すべきである旨の請求人の主張を排斥した事例
- 取引相場のない株式の発行会社と店頭登録株式の発行会社との合併等の契約締結後、それぞれの期日までの間に課税時期がある場合において、取引相場のない株式についての評価額は、店頭登録株式の取引価格を合併比率等により調整した価額ではなく、財産評価基本通達に基づき評価した価額によるべきであるとした事例
- 被相続人は相続開始の8年前に本件土地についてその同族会社を借地人とする建物保有目的の借地権を設定したが、相続開始時には当該会社の建物はなく、当該会社の代表者である請求人の建物が存していたなどの事情に照らし、当該借地権は相続財産評価において借地権と評価する実質を欠いているとして、本件土地は自用地として評価すべきであるとした事例
- 評価対象地は、標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大とは認められないから広大地に該当しないとした事例
- 被相続人は賃借していた土地の所有者に対して別途建物を賃貸しており、その建物の賃貸料が相場より低いのは、その低い分だけ土地の賃借料と相殺されているのであるから、この相殺部分の金額を土地の賃借料に加算すると土地の賃借料は相当地代に当たるので、被相続人の有する借地権の評価額は零であるとの請求人の主張が排斥された事例
- 借地権の価額は、不動産鑑定士が、実際に支払われている賃料に基づく純収益を還元して得た収益価格を標準として、売買事例を基に算定した比準価格等を比較考量して算定した鑑定評価額ではなく、評価基本通達に従って評価した価額が相当であるとした事例
- 財産評価基本通達188の規定に基づき株主区分の判定を行うに当たり、発行済株式数から控除する株式は、同188−3及び同188−4に定める株式に限られず、むしろ同188の定めにおける発行済株式数に、議決権を有しないこととされる株式及び議決権のない株式は、当然に含まれないとした事例
- 相続により取得した預託金制のゴルフ会員権の価額は、通常の取引価格の70パーセントに相当する金額によって評価するのが相当であるとした事例
- 借地権の設定されている土地の評価に当たり、自用地としての価額から控除すべき借地権の価額はないとした事例
- 相続により取得した建物の周囲にある緑化設備は、共同住宅の敷地内に設けられた構築物であるから、財産評価基本通達97の定めにより評価すべきであるとした事例
- 農業の主たる従事者の死亡により、市町村長に買取りの申出ができる生産緑地の価額は、生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に100分の5の割合を乗じて計算した金額を控除した価額で評価するのが相当であるとした事例
- 被相続人が生前立退料を支払うなどして借家人を立ち退かせた上、その貸家用の家屋を取り壊し、その敷地に貸家用の家屋を建築中である場合において相続が開始したときのその敷地について、貸家建付地としてではなく、自用地として評価すべきであるとした事例
- 周知の埋蔵文化財包蔵地については発掘調査費用の額の80%相当額を控除して評価することが相当であるとした事例
- 上場株式等の現物出資及びその低額受入処理という相続税回避行為に係る非上場株式を純資産価額方式により評価するに当たり法人税等相当額を控除することは相当でないとした事例
- 路線価の付されていない私道に接する宅地の価額は、その私道と状況が類似する付近の道路に付された路線価に比準してその私道の仮路線価を評定し、その仮路線価に基づき計算した価額によって評価するのが相当であるとした事例
- 評価対象地は、道路を開設するなどした開発を行うことが最も合理的であり、「広大地」として評価するのが相当であるとした事例
- 1. 本件贈与土地を評価するに当たり、過去3年分の路線価の平均額に基づいて算定することは相当ではないとした事例2. 本件土地の使用関係は、使用貸借であると認められるから、更地と同様に評価すべきであるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。