判決によって給付を命じられた不当利得返還債務の額は相続税法第14条に規定する確実と認められる債務に該当するとした事例
[相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1980/07/29 [相続税法][相続税の課税価格の計算][債務控除]裁決事例集 No.20 - 187頁
相続税法第14条第1項に規定する「確実と認められる債務」とは、被相続人の債務については、相続人が債務を履行することになるものであり、それだけ相続により取得した経済的価値が失われることとなるので、それを控除する趣旨と解されることから、債務の存在及び履行の確実性を意味するものと解される。したがって、相続税の計算上控除できる債務としては、不当利得返還請求に基づく給付訴訟において存在が認められたにすぎない不当利得返還債務の全額ではなく、給付判決によって給付を命じられた額すなわち請求人が履行しなければならない額に限られる。
昭和55年7月29日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 判決によって給付を命じられた不当利得返還債務の額は相続税法第14条に規定する確実と認められる債務に該当するとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>相続税の課税価格の計算>債務控除)
- 遺言執行者に対する報酬(遺言執行費用)支払債務は、相続税法第13条に規定する債務に該当しないとした事例
- 無利息の敷金に係る債務控除額は、敷金の金額から、通常の利率による返還期までの間に享受する経済的利益の額を控除した金額によるのが相当とした事例
- 土地が物上保証に供されているとしてもその土地の評価額と同額の債務があるとはいえないとした事例
- 被相続人の損害賠償債務は、制限納税義務者である請求人の相続税の課税上、控除すべき債務には当たらないとした事例
- 未分割遺産に係る相続税の課税価格の計算は、いわゆる穴埋方式によるべきであるとした事例(平成22年5月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・棄却・平成27年6月3日裁決)
- 相続税法基本通達13−3ただし書の定めにより、他の共同相続人の債務等超過分を請求人の課税価格から控除するためには、債務等超過分を控除することが可能な者の合意が必要であるとした事例
- 遺産分割協議において寄与分に応ずる財産が具体的に定められるとともに、一部の財産が協議の対象から漏れていた場合において、相続税法第55条の規定により相続税の課税価格をいわゆる穴埋方式で計算するときには、当該寄与分に応ずる財産の価額は各共同相続人の未分割財産の取得可能額の計算の基礎となる財産の価額から除外されるとした事例
- 被相続人が米国f州にジョイント・テナンシーの形態で所有していた不動産について、生存合有者(ジョイント・テナンツ)が取得した被相続人の持分は、みなし贈与財産に該当し、相続税の課税価格に加算されるとした事例(平成21年12月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の変更決定処分、平成21年12月相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分、平成21年12月相続開始に係る相続税の過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し、一部取消し、棄却・平成27年8月4日裁決)
- 遺贈に対して遺留分による減殺請求がなされている場合であっても、各共同相続人の取得財産の範囲が具体的に確定するまでは、受遺者の課税価格はそれがないものとして計算した金額によるとされた事例
- 相続開始時において、主たる債務者は返済不能の状況に至っていないので、被相続人の保証債務額は、債務控除の対象にならないとして請求人の主張を排斥した事例
- 林道工事に係る受益者負担金は、その納入通知が相続開始後になされているので債務控除の対象にならないとした事例
- 相続人らが所有する取引相場のない株式は、被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けたものと認定した事例
- 判決によって給付を命じられた不当利得返還債務の額は相続税法第14条に規定する確実と認められる債務に該当するとした事例
- 可分債権である貸付金債権については、可分債権であることをもって分割の対象とならない財産とみるのは相当ではなく、共同相続人間で実際に分割が行われた場合、実際に分割が行われないまでも、相続分に応じて取得する旨の共同相続人全員の合意がされた場合、一部の相続人が可分債権に対する自己の相続分相当の権利を行使した場合など、明らかにその全部又は一部の帰属が確定している場合を除き、他の未分割財産と一体として取り扱うのが相当であるとした事例
- 遺産分割協議は有効に成立しており、当該遺産分割協議に基づく決定処分は違法とは認められないとした事例
- 団体信用生命保険契約に基づき被相続人の死亡を保険事故として支払われる保険金により充当される被相続人の債務は債務控除の対象にならないとした事例
- 請求人が、被相続人の財産から親族に支払った金員は、相続開始後に成立した贈与契約に基因するもので、相続開始の際に現に存する確実な債務ではないとした事例
- 土地区画整理事業において見込まれる減歩部分に相当する金額は相続債務ではないとした事例
- 相続開始後の和解で相続権確認の訴えの取下げの代償として支払うこととした金銭債務は相続債務ではないとした事例
- 相続人らから本件被相続人への本件各金員の支出は、本件被相続人が相続税対策のために相続人らに贈与を行っていたことなどからすると、相続人らから本件被相続人への贈与であったとみることは困難であるから、本件各金員は、相続人らから本件被相続人に貸し付けられたものと認められるとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。