無利息の金銭借入れにおいて、利息相当額の経済的利益の額を贈与により取得したとみなして贈与税の課税をすることは所得税との二重課税とならず適法であるとした事例
[相続税法][贈与税の課税財産の範囲][課税財産]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1989/06/16 [相続税法][贈与税の課税財産の範囲][課税財産]裁決事例集 No.37 - 241頁
請求人はその経営する自動車学校の運営資金に充てるため請求人の父から無利息の約定で昭和53年から昭和60年まで金銭を借り入れたが、当該利息相当額は、事業所得の計算上必要経費に算入しておらず、その額だけ事業所得の金額が多く算出された結果となっているから、利息相当額の経済的利益の額を贈与により取得したとみなして贈与税の課税をすることは所得税との二重課税となり違法である旨主張するが、贈与税は取得した財産を課税対象としており、資産の運用益等、すなわち、所得を課税対象とする所得税とはおのずからその課税対象を異にするものであり、また、本件経済的利益の額は事業所得の収入金額には加算されておらず、所得税は課税されていないのであるから、二重課税であるとの請求人の主張は採用できない。
平成1年6月16日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
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