売買契約をした農地の移転許可前に買主に相続が開始した場合、相続財産は農地ではなく前渡金であるとした事例
[相続税法][相続税の課税財産の範囲]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1976/04/15 [相続税法][相続税の課税財産の範囲]裁決事例集 No.12 - 41頁
請求人が被相続人から相続により取得したと主張する農地については、昭和47年6月20日付の売買契約がなされ、同年8月31日までに代金の全額が支払われている事実が認められるが、農地法上の権利移転についての許可は相続開始の日である昭和47年9月4日より後の昭和48年6月11日付でなされているから、相続開始の日において被相続人が当該農地の所有権を取得していないことは明らかである。
この場合において、被相続人は既に支払済みの本件農地の代金の額及び仲介手数料の額に相当する債権を有していたことになるから、相続財産は農地ではなくて本件農地に係る前渡金であるとするのが相当である。
昭和51年4月15日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 売買契約をした農地の移転許可前に買主に相続が開始した場合、相続財産は農地ではなく前渡金であるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>相続税の課税財産の範囲)
- 支給を受けた死亡退職金の一部を返還したとしても、相続税法第3条第1項第2号に規定する死亡退職金の額には影響を及ぼさないとして請求人らの主張を排斥した事例
- 所得税の課税処分取消訴訟継続中に被相続人が死亡した場合、相続人である請求人は訴訟上の権利、すなわち過納金の還付を求める権利を相続により取得したとした事例
- 本件被相続人の被相続人である母の相続に係る遺産分割協議書は真正に成立したものと推定されるから、請求人は、この遺産分割協議書に基づき本件被相続人が相続した本件土地を、本件被相続人に係る遺産分割協議書に基づき相続したものと認めるのが相当であるとした事例
- 相続人又はその家族名義の預金、株式及び割引債について、生前贈与された資金の運用により取得されたものではなく、被相続人が請求人に指示して管理運用していたもので、その一部を除き相続財産であると認定した事例
- 宅地の売買契約が成立して特約による所有権移転時期前に買主に相続が開始した場合、相続財産は所有権移転請求権であるとした事例
- 株式は祖母から死因贈与により請求人が既に取得したものであり、被相続人の相続財産を構成しないとした事例
- 売買契約をした農地の移転許可前に買主に相続が開始した場合、相続財産は農地ではなく前渡金であるとした事例
- 貸金債権は生前において回収不能を理由に既に放棄されていたとの請求人の主張を退けた事例
- 土地及び建物に対する被相続人の共有持分は単なる名義上のものにすぎないとする請求人の主張を排斥した事例
- 被相続人の死亡は業務上の死亡に当たらないから、弔慰金の額は、同人の死亡当時における普通給与の半年分に相当する金額とするのが相当であるとした事例
- 被相続人以外の者の名義である財産について、その財産の原資の出捐者及び取得の状況、その後の管理状況等を総合考慮して、相続開始時において被相続人に帰属するものと認定した事例
- 他人名義となっている定期貯金の真実の所有者は被相続人であると認定した事例
- 貸金庫内に保管されていた株券は、貸金庫の開閉状況、株券の管理・処分の決定方法等の状況からみて、本件被相続人名義分も含めて、その全部が、本件被相続人の被相続人である父親の未分割遺産であるから、そのうち本件被相続人の法定相続分相当のみが本件被相続人の相続財産であると認定した事例
- 本件金地金について、相続開始日に本件被相続人の相続財産として存在したと認めるには十分とはいえないことなどから、請求人が取得した相続財産であるとは認められないとした事例(平成23年9月相続開始に係る相続税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分・全部取消し・平成27年5月8日裁決)
- 毎年保険料相当額の贈与を受け、その保険料の支払に充てていた場合における受取保険金は相続により取得したものとはみなされないとした事例
- 本件株式は、すべて被相続人固有の資金によって取得され、かつ、すべて同人名義で保護預かり又は登録されていることから、被相続人に帰属するものと認められるとした事例
- 本件土地は、請求人が第一次相続で相続したものではなく、当該相続で被相続人が相続したものであり、本件更正登記は請求人が仮装したものであるとした事例
- 相続人名義の預貯金がそもそも被相続人に帰属していたものではないと認定した事例
- 親族間で賃貸借契約書及び売買契約書が作成されていた土地について、契約成立の事実は認められず、その所有者は被相続人であるとした事例
- 被相続人の相続開始数日前に相続人によって引き出された多額の金員は、被相続人によって費消等された事実はないことから相続財産であると認定した事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。