公正証書を作成して被相続人の生前に贈与を受けたものであるとする不動産について、生前贈与ではなく死因贈与により取得したものと認定した事例
[相続税法][財産取得の時期][財産取得の時期]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1982/10/08 [相続税法][財産取得の時期][財産取得の時期]裁決事例集 No.25 - 89頁
被相続人と請求人らは、公正証書を作成し、不動産を贈与する旨の合意をしたが、被相続人は公正証書を作成してから死亡するまでの約6年間不動産を従前どおり自己の所有物として管理し、使用収益していたこと、被相続人には公正証書作成当時同人の死亡後、同人の財産の分割等が支障なく行われるであろうという思惑が存在したことが十分うかがわれることなどから、公正証書による合意の真の内容は公正証書記載の贈与を即時に行うというものではなく、むしろ、死因贈与契約をしたものと認めるのが相当であり、贈与の効力は被相続人の死亡により生ずることとなったものといわざるを得ない。
昭和57年10月8日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 公正証書を作成して被相続人の生前に贈与を受けたものであるとする不動産について、生前贈与ではなく死因贈与により取得したものと認定した事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(相続税法>財産取得の時期>財産取得の時期)
- 贈与により取得した財産の取得時期は贈与証書による贈与契約の時ではなく贈与登記の時であると認定した事例
- 公正証書による贈与契約は相続税回避のための仮装行為であるとした事例
- 公正証書による財産の贈与時期は、公正証書が作成された日ではなく、本件不動産に係る所有権の移転登記がされた日であるとした事例
- 裁判上の和解に基づく停止条件付の贈与契約について、停止条件が成就したのは、不動産の売買契約が成立した時と解するのが相当であるとした事例
- 不動産贈与の効力は、贈与契約公正証書の作成の時ではなく、被相続人の死亡の時に生じたものと認定した事例
- 死後認知裁判により相続人となった者であっても相続により財産を取得した時及びその財産の評価の時点は相続の開始の時であるとした事例
- 公正証書を作成して被相続人の生前に贈与を受けたものであるとする不動産について、生前贈与ではなく死因贈与により取得したものと認定した事例
- 同族会社が請求人の父から借地権の無償設定を受けたことにより出資者である請求人が利益を受けた時期は、土地賃貸借契約で定められた賃貸借の始期であるとした事例
- 1. 書面による贈与契約であってもその契約の効果が真実生じているか否かを実質的に判断するべきであるとした事例2. 複数の連帯保証人と物上保証人がある場合の負担割合は平等であるとした事例
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。