請求人が取得した賃貸用建物は課税期間内に引渡しを受けているから消費税の仕入税額控除を認めるべきであるとした事例
[消費税法][税額控除等][仕入税額控除]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2012/07/24 [消費税法][税額控除等][仕入税額控除]《要旨》 原処分庁は、請求人が注文者として締結した工事請負契約により取得した賃貸用建物(本件建物)は、本件課税期間内には共同住宅として使用できる状態にはなく、工事が完了していたとは認められないから、請求人が本件建物の引渡しを受けた日の属する課税期間は本件課税期間ではないこととなり、本件建物の取得費用に係る消費税額を本件課税期間の消費税の計算において課税仕入れに係る消費税額として控除することはできない旨主張する。
しかしながら、本件課税期間内に本件建物の大部分は完成しており、請求人は、本件課税期間内に、権利保全のために所有権保存登記をしていること、金融機関との間で本件建物に抵当権を設定して自己の所有物として処分していること、本件建物の工事請負業者に対し請負代金の全部の支払を終えたことなどを併せ考えれば、本件建物の工事に若干の工事が残存して未完成であったとしても、本件課税期間内に本件建物が完成し引渡しがあったものと同視できるから、請求人が本件建物の引渡しを受けた日の属する課税期間は、本件課税期間であると認めるのが相当である。
《参照条文等》 消費税法第30条第1項
《参考判決・裁決》 東京地裁昭和55年6月12日判決(判タ428号208頁)
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 請求人が取得した賃貸用建物は課税期間内に引渡しを受けているから消費税の仕入税額控除を認めるべきであるとした事例
関連するカテゴリ
関連する裁決事例(消費税法>税額控除等>仕入税額控除)
- 事業者が販売したことによる自己の商品代金債権を信販会社に譲渡等することに伴い支払う手数料は、消費税法上の非課税取引に該当するとした事例
- 簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであるとして、本則課税を適用し、仕入税額控除をすべきとしてされた更正の請求につき、同届出書の提出は無効でなく、請求は認められないとした事例
- 請求人の営む事業は、消費税法施行令第57条第5項第4号に規定する第五種事業に該当するとした事例
- 顧客から印刷物の注文を受けて、これを外注先に印刷させ、その印刷物を顧客に納品する事業は、製造業(第三種事業)に該当するとした事例
- 請求人が取得した建物及び水道施設利用権に係る個別対応方式における課税仕入れの用途区分について、それぞれ取得の日の状況で判断した事例
- 本件課税期間の課税売上割合が零パーセントであり、控除税額の計算方法として一括比例配分方式を選択しているから、本件課税期間に係る控除対象仕入税額は零円となるとした事例
- 真実の仕入先の名称等が記載されていない帳簿等は消費税法第30条第7項に規定する帳簿保存要件を満たす帳簿等には該当しないから、これに係る消費税の仕入税額控除は認められないとした事例
- 仕入税額控除に係る請求書等には、真実の仕入先の氏名等が記載されておらず、また、その仕入先が真実であると信じざるを得ない状況にはなかったとして仕入税額控除を否認した事例
- 外国法人から日本における独占販売権を取得した取引は国外取引であり、その対価の支払いは課税仕入れに該当しないとした事例
- 請求人が自らの判断で簡易課税制度選択の届出をした限りは、任意に本則課税によって申告することはできないとした事例
- 請求人の行っている業務は、会計処理業務であり、帳票類を販売する業務ではないとして、簡易課税制度の適用上、卸売業に該当しないとした事例
- 横断地下道の便益は、請求人のように負担金を支払った者のみが支払っていない者に比して有利な条件で利用できるものとなっていないので、課税仕入れに該当しないとした事例
- 請求人が第一種事業として主張する廃油回収販売業は、第一種事業、第四種事業及び第五種事業から成る事業に該当するとした事例
- マッサージ師に支払った外注費は、所得税法第28条に規定する給与等に該当するので、消費税法第2条第1項第12号に規定する課税仕入には該当しないとされた事例
- 簡易課税選択後2年間は、本則課税の適用はできないとした事例
- 簡易課税制度選択届出書の提出は錯誤によるものであり無効であるとの主張を認めなかった事例
- 請求人の営む事業は、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業であるから第四種事業に該当するとした事例
- 事業を廃止した場合において、簡易課税制度選択の届出の効力が失われるのは事業廃止届出書の提出があった日の属する課税期間の末日の翌日であり、事業を廃止した日の属する課税期間の末日の翌日と解することはできないとした事例
- 簡易課税におけるみなし仕入率の適用に際し、歯科技工所は製造業ではなくサービス業に該当するとした事例
- 簡易課税制度適用課税期間に仕入れた建物に係る仮払消費税は、その後の本則課税適用課税期間における仕入税額控除の対象にはできないとした事例
※最大20件まで表示
税法別に税務訴訟事例を調べる
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。