融通手形の受取人の倒産による手形債務の負担が、請求人に帰責性があるということはできず、不測の事態によって資金繰りが困難になったという点で、売掛金等の回収が不能になった場合と同視できることから、国税通則法第46条第2項第1号に掲げる事実に類する事実に当たるとした事例
[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
2009/07/06 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]国税通則法第46条第2項各号に掲げる事実(以下「猶予該当事実」という。)とは、納税者の責に帰すことのできない金銭納付を困難ならしめる事実をいうものと解するのが相当であるところ、請求人が取引先C社に対して振り出した本件各手形は、経営困難に陥った当該取引先の資金調達のため、請求人とC社との間で手形の原因行為なくして振り出されたいわゆる融通手形であると認められるものの、これは、請求人の主要な取引先であるC社が倒産すれば同社に対する売掛債権が全額回収できなくなることなどから、やむを得ず振り出したものと認められるので、本件各手形の振出し及びC社の倒産による手形債務の負担について、請求人に帰責性があるということはできず、不測の事態によって資金繰りが困難になったという点で、同項第1号に類する事実として納税の猶予等の取扱要領に例示されている売掛金等の回収が不能になった場合と同視できるので、猶予該当事実に当たると解するのが相当である。
平成21年7月6日裁決
- 国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
- 融通手形の受取人の倒産による手形債務の負担が、請求人に帰責性があるということはできず、不測の事態によって資金繰りが困難になったという点で、売掛金等の回収が不能になった場合と同視できることから、国税通則法第46条第2項第1号に掲げる事実に類する事実に当たるとした事例
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