強制競売手続が開始された場合の繰上請求処分は適法であるとした事例
[国税通則法][納付及び徴収]に関する裁決事例(国税不服審判所)。
裁決事例(国税不服審判所)
1981/05/08 [国税通則法][納付及び徴収]裁決事例集 No.22 - 7頁
国税通則法第38条第1項は、同項第1号に規定する納税者の財産につき強制換価手続が開始された場合において、納付すべき税額の確定した国税でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができる旨を規定しているところ、原処分庁が、本件更正等により納付すべき税額等を請求人がその納期限までに完納することは、請求人の資力の状況等から困難であると認め、本件繰上請求処分を行ったことは、[1]請求人の所有不動産の一部について債権者の申立てにより裁判所が登記原因を競売手続開始とする強制競売申立ての登記をしていること、[2]裁判所は、原処分庁に対し請求人の所有不動産について競売開始を決定したことを原因として、租税債権の有無等の申出を認める催告をしていること、[3]請求人の所有資産にはすべて国税に優先する抵当権が設定されていることなどの各事実に照らし相当であり、手続上の違法は認められない。
昭和56年5月8日裁決
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