青色申告の義務
青色申告書を提出する個人は、一定の帳簿書類を作成し、一定期間保存しなければいけません。
- 青色申告(所得税)で節税
- 青色申告(所得税)で節税する。白色申告との違い(メリット)、青色申告特別控除、家事関連費について。
以下の3つの方法が認められています。
- 正規の簿記(*複式簿記)
- 簡易簿記(*単式簿記)
- 現金式簡易簿記(*現金主義の単式簿記)
各帳簿書類や白色申告との違い(メリットやデメリット)
各帳簿書類や白色申告との違いは、以下の通りです。
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
正規の簿記 | 簡易簿記 | 現金式簡易簿記 | 簡易簿記 |
記帳 | 煩雑 | 手間が少ない | 手間が非常に少ない | 手間が少ない |
特別控除 | 65万円 | 10万円 | なし |
会計方法 | 発生主義 | 現金主義 | 発生主義 |
所得制限 | なし | 前々年度の所得300万円以下 | なし |
申請 | 青色申告承認申請書 | 青色申告承認申請書(兼) 現金主義の所得計算による旨の届出 | なし |
貸倒引当金 | 売掛金の5.5% | なし |
1. 正規の簿記(*複式簿記)
青色申告書を提出する個人は、65万円の特別控除を受けようとする場合、以下の帳簿書類を正規の簿記の原則によって作成し、一定期間保存しなければいけません。(所得税法第148条。所得税法施行規則第56条~65条)
- 全取引の仕訳帳と総勘定元帳の作成
- 全棚卸資産の棚卸表を作成(*棚卸資産がない場合は不要)
- 貸借対照表と損益計算書の作成
- 親族の労務台帳の作成(*親族への給与がない場合は不要)
ただし、上記帳簿書類については、税務署長の承認があれば、一部を省略したり変更したりすることが可能です。
なお、作成した帳簿書類だけでなく、全取引に関わる一切の証憑書類(請求書や領収証等)も保存する必要があります。
2. 簡易簿記(*単式簿記)
正規の簿記に代えて、以下の帳簿書類で青色申告することも可能です。(所得税法施行規則第56条第1項ただし書き)
- 現金出納帳の作成
- 経費帳の作成
- 売掛帳や買掛帳の作成(*売掛金等がない場合は不要)
- 固定資産台帳の作成(*固定資産がない場合は不要)
- 全棚卸資産の棚卸表を作成(*棚卸資産がない場合は不要)
- 月別総括集計表の作成
- 親族の労務台帳の作成(*親族への給与がない場合は不要)
なお、作成した帳簿書類だけでなく、全取引に関わる一切の証憑書類(請求書や領収証等)も保存する必要があります。
3. 現金式簡易簿記(*現金主義の単式簿記)
前々年度の所得が300万円以下の小規模事業者については、現金主義の簡易簿記で青色申告することも可能です。(所得税法第67条。所得税法施行規則第56条第2項)
以下の帳簿書類で青色申告します。
- 現金式簡易帳簿(現金出納帳に経費欄を追加したもの)の作成
- 売掛帳や買掛帳の作成(*売掛金等がない場合は不要)
- 固定資産台帳の作成(*固定資産がない場合は不要)
- 月別総括集計表の作成
- 親族の労務台帳の作成(*親族への給与がない場合は不要)
なお、作成した帳簿書類だけでなく、全取引に関わる一切の証憑書類(請求書や領収証等)も保存する必要があります。
現金式簡易簿記の適用を受ける場合、現金主義の所得計算による旨の届出が別途必要です。
[手続名]所得税の青色申告承認申請(兼)現金主義の所得計算による旨の届出手続
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/...