役員社宅の賃借料で節税する
法人が役員用に社宅を借りた場合、賃借料の一部を必要経費とすることが可能です。
- No.2600 役員に社宅などを貸したとき | タックスアンサー(国税庁)
ただし、以下のような要件があります。
- 会社が役員から「通常の賃貸料」を受け取ること。
- 社宅にプールなどの特別な設備がないこと。
「通常の賃貸料」を計算する
「通常の賃貸料」は、以下の2パターンがあります。
A.「通常の賃貸料」 ※一般的なケース
以下の1.と2.のうち、多い方が「通常の賃貸料」となります。
- ([家屋の固定資産税の課税標準×12%](注)+[敷地の固定資産税の課税標準×6%])÷12ヶ月
- 支払賃借料の50%
※(注)木造以外の家屋(耐用年数30年以上)は10%
B.「通常の賃貸料」 ※小規模住宅等のケース
家屋の床面積が132平米(木造家屋以外の家屋は99平米)以下の場合は、下記の金額が「通常の賃貸料」となります。
- [家屋の固定資産税の課税標準×0.2%]+[敷地の固定資産税の課税標準×0.22%]+[12円×総床面積(平米)÷3.3]
所得税基本通達36-40(役員に貸与した住宅等に係る通常の賃貸料の額の計算)
所得税基本通達36-41(小規模住宅等に係る通常の賃貸料の額の計算)
所得税基本通達36-42(通常の賃貸料の額の計算に関する細目)
〔給与等とされる経済的利益の評価〕|所得税法
固定資産税の課税標準を調べる
社宅にかかる固定資産税の課税標準については、市区町村役場で調べることができます。証明書の発行手数料は300円前後です。
固定資産税の担当窓口に固定資産証明申請書を提出します。その際、以下の2点について伝えれば、記入方法を教えてもらうことができると思います。
- 物件の借家人であること。
- 社宅の賃貸料の計算に必要なのは、固定資産税の課税標準額であること。
福利厚生費として処理する
役員から「通常の賃貸料」を受け取った場合、社宅の賃借料を福利厚生費として処理しますが、福利厚生規程で明文化しておくことをお勧めします。
下記サンプルにおいては(借上社宅制度)として条文化しています。参考にしていただければ幸いです。
- 福利厚生規程で節税(雛形)