会社を退職した場合、
退職金が支払われます。
- No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) | タックスアンサー(国税庁)
次に示す通り、
退職金にかかる所得税(退職所得)は、税制優遇措置があるので最大限活用します。
退職所得の計算
退職所得は以下のように計算します。
退職金から退職所得控除額を差し引いた後、更に2分の1控除されるので、他の所得に比べると節税効果は非常に高いと言えます。
ただし、役員の場合、役員在任期間が5年以下だと、上記2分の1控除の適用はありません。
退職所得控除額は以下のように計算します。
- 勤続年数20年以下 … 40万円×勤続年数(*80万円が下限)
- 勤続年数20年超 … 800万円+70万円×(勤続年数-20年)
勤続年数が増えるほど、退職所得控除額は増えるので、節税効果はその分高まります。
退職所得の税額計算
退職所得は他の所得と分離して課税されます。よって、他の所得(
給与所得や事業所得等)の所得税率の影響を受けることはありません。
また、勤務先に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、所得税(住民税)が源泉徴収(特別徴収)されて課税関係が終了するので、原則的に確定申告は不要です。
- No.2732 退職金に対する源泉徴収 | タックスアンサー(国税庁)
所得税の源泉徴収は「退職所得の源泉徴収税額の速算表」によって実施します。
www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2732_besshi.htm
住民税の特別徴収は合計10%となります。
www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaise... 退職金で節税する実例
退職金を活用した節税方法としては、以下のようなケースが考えられます。
- 役員退職金(役員慰労金)で節税
- 退職所得控除を活用して役員退職金で節税する。死亡退職金で相続税を節税。役員退職金で節税するには、役員退職慰労金規程の作成と適切な運用をお勧めします。
- 退職金(役員の分掌変更)で節税
- 退職金(分掌変更による退職)で節税する。役員に分掌変更があった場合の退職金で節税するには、役員退職慰労金規程の作成と適切な運用をお勧めします。
- 退職金(従業員の役員昇格)で節税
- 退職金(従業員の役員昇格)で節税する。従業員が役員へ昇格した場合の退職金で節税するには、従業員退職金規程の作成と適切な運用をお勧めします。
- 役員退職金と経営者保険を組み合わせて節税
- 役員退職金と経営者保険を組み合わせて節税する。貯蓄型定期保険(低解約払戻金型保険等)と役員退職金の活用。デメリットや回避策(リスク軽減策)。
- 役員弔慰金で節税
- 役員死亡時には役員弔慰金で節税する。役員弔慰金で節税するには、役員退職慰労金規程の作成と適切な運用をお勧めします。
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退職金(特に役員
退職金)は高額な上に節税効果が高いこともあり、利益調整手段として使われるケースが多々あります。当然ながら税務署は、
退職金の恣意的な運用について目を光らせています。
そのため
退職金に関する規程を作成し、適切に運用することが重要になります。
従業員退職金規程で節税(雛形)では、従業員
退職金について取り上げているのでご活用ください。
- 従業員退職金規程で節税(雛形)
また、
役員退職慰労金規程で節税(雛形)では、役員退職
慰労金について取り上げています。
- 役員退職慰労金規程で節税(雛形)
役員退職
慰労金については議事録のサンプルも用意しているので、合わせてご活用ください。
- 役員退職慰労金の議事録で節税(雛形)
退職金の税金計算ツール(所得税・住民税)
退職金は分離課税なので、税金は天引きされます。また、退職金を受け取る際、勤務先に「退職所得申告書」を提出すると、退職所得控額等の優遇措置が適用されます。
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