当社(年1回3月決算)では、X年5月26日の定時株主総会において、取締役Aに対して、定期同額給与のほかに、「X年5月26日からX+1年5月25日までの役員給与としてX年6月30日及び同年12月25日にそれぞれ300万円を支給する」旨の定めを決議し、届出期限までに所轄税務署長へ届け出ました。
この定めに従って支給したX年6月30日及び同年12月25日の役員給与は、法人税法第34条第1項第2号(役員給与の損金不算入)に規定する所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与として、当期(X+1年3月期)において損金の額に算入して差し支えないでしょうか。
貴社が、役員への賞与の支給時期を使用人への盆暮れの賞与と同じ時期とし、かつ、毎期継続して同時期に賞与の支給を行っているのであれば、上記のような支給形態を採るからといって、その損金算入をすることができないということはありません。
(理由)
役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与のうち、定期給与を支給しない役員に対して支給する給与(同族会社に該当しない法人が支給するものに限ります。)以外の給与で、届出期限までに納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をする等の一定の要件を満たしている場合のその給与(以下「事前確定届出給与」といいます。)は、その法人の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます(法法34二)。
ところで、給与に係る役員の職務執行期間は一般的には定時株主総会から次の定時株主総会までの1年間であると解されることからすれば、貴社が6月に支給した給与も12月に支給した給与も翌年5月25日までの1年間の職務執行の対価の一部となるものであり、また、民法上委任の報酬は後払いが原則とされていることを考えると、お尋ねのような支給形態を採ることについて、税務上問題があるのではないかと考える向きもあるようです。
しかしながら、使用人への賞与が盆暮れの時期に支給されているのが一般の企業慣行であることを考えると、役員に対して同時期に賞与を支給することはあながち不自然なことではないともいえます。
そこで、お尋ねの場合において、法人が、役員への賞与の支給時期を使用人への盆暮れの賞与と同じ時期とし、かつ、毎期継続して同時期に賞与の支給を行っているときに、事前確定届出給与に係る一定の要件を満たしていれば、これを事前確定届出給与として当該事業年度の損金の額に算入することとして差し支えありません。
法人税法第34条第1項第2号
法人税法施行令第69条第2項〜第5項
法人税法施行規則第22条の3第1項、第2項
注記
平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/11/17.htm
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。
*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください