[平成27年4月1日現在法令等]
株式等に係る譲渡所得等の赤字の金額は、他の株式等に係る譲渡所得等の黒字の金額から控除しますが、その控除をしてもなお控除しきれない赤字の金額は、給与所得など他の各種所得の金額から差し引くことはできません。
ただし、平成21年以後に支払いを受けた上場株式等に係る配当等(一定の大口株主等が受けるものを除きます。)については、事業所得や給与所得などの総合課税の対象となる所得に含めないで、15%(住民税とあわせて20%)の税率による分離課税の配当所得として申告することが選択でき、上記によっても控除しきれなかった株式等の譲渡損失の金額のうち上場株式等の譲渡損失の金額は、上場株式等に係る配当所得の金額(申告分離課税を選択したものに限ります。以下同じです。)から控除することができます。
なお、不動産所得など他の各種所得に係る損失の金額がある場合においては、その各種所得に係る損失の金額は株式等に係る譲渡所得等の金額及び上場株式等に係る配当所得の金額から控除することはできません。
また、平成25年度税制改正により、平成28年分から、株式等の範囲に一定の公社債や公社債投資信託などが含まれることになるとともに、上場株式等に係る譲渡所得等とそれ以外の株式等に係る譲渡所得等に区分して、「上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例」と「一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例」とそれぞれ別々の申告分離課税制度とされます。
それに伴い、上場株式等に係る損益通算の特例の対象に、特定公社債(※)、公募公社債投資信託など(以下「特定公社債等」といいます。)に係る利子所得、配当所得及び譲渡所得等が追加され、これらの所得間や上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等との損益通算が可能とされる一方で、現在は可能とされている上場株式等と非上場株式等との間で譲渡損益の通算はできなくなります。
※ 特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除きます。)などの一定の公社債をいいます。
上場株式等の譲渡損失の金額については、一定の要件を満たす場合に限りその譲渡損失の金額が生じた年の翌年以後3年間にわたって株式等に係る譲渡所得等及び上場株式等に係る配当所得の金額から繰越控除できます。
この控除をするには、上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税について一定の書類を添付した確定申告書を提出するとともに、その後の年において、連続して一定の書類を添付した確定申告書を提出する必要があります。
なお、平成25年度税制改正により、平成28年1月1日以後に特定公社債等の譲渡により生じた損失についても、翌年以後3年間にわたって、特定公社債等に係る利子所得及び譲渡所得等や上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等からの繰越控除が可能とされる一方で、上場株式等に係る譲渡損失を、現在は可能とされている翌年以後の非上場株式等に係る譲渡所得等から繰越控除することはできなくなります。
譲渡損失の金額のうちに、特定中小会社の発行した株式で払込みにより取得したもの(税制適格ストックオプションの行使により取得したものを除きます。)を適用期間内に譲渡(親族等への譲渡等は除きます。)したことにより生じた一定の損失の金額がある場合には、その損失の金額については、一定の要件を満たす場合に限りその損失の生じた年の翌年以後3年間にわたって株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除できます。
この控除をするには、確定申告書にその旨記載するとともに、一定の明細書等の添付が必要です。
(注)
(措法8の4、37の10、37の12の2、37の13、37の13の2、措令25の8、25の12の2、平20改正法附則32、47、復興財確法13)
参考: 関連コード
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1465.htm
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