最速節税対策

株主代表訴訟に係る弁護士費用等の負担|源泉所得税

[株主代表訴訟に係る弁護士費用等の負担]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

 株主代表訴訟が提起された場合に、弁護士費用等の争訟費用は提訴された役員自身が負担していますが、会社が争訟費用を補したときは、敗訴の場合を除き、給与課税しないこととしてよいでしょうか。

 会社法第847条《株主による責任追及等の訴え》に規定する株主代表訴訟が提訴されました。

 役員は、弁護士に依頼し、報酬その他の費用を支払いました。

 その後、裁判所から同法第847条の4第2項に規定する担保の提供命令があったことから、原告はの訴えを取り下げました。

 役員は、会社に対し弁護士費用等相当額の支払を請求しました。

【回答要旨】

 株主代表訴訟における弁護士費用等を会社が負担したとしても、役員敗訴の場合を除き、給与等として課税しなくて差し支えありません。

 株主代表訴訟とは、会社が取締役の会社に対する責任を追及しない場合に、株主自身が会社のために取締役の責任を追及する訴訟をいい、その訴訟による損害賠償等の効果は会社に帰属するものをいいます。
 会社の役員は、株主から損害賠償請求訴訟を提起された場合に、争訟費用(敗訴の場合はこれに加え損害賠償金)を自ら支払わなければならないこととなりますが、これらの争訟費用等を会社が支払ったときは、次の区分に応じて次により取り扱います。

(1) 役員勝訴の場合
 この場合、当該役員は適正に職務を遂行している(職務責任を追及できません)ことが確認されたものであり、提訴に係る費用は、会社経営自体を守る費用あるいは正当に職務を遂行している役員を守るため会社自体が支出すべき費用であると考えられます。
 したがって、役員勝訴の争訟費用を負担(役員の支払った費用を補)した場合は、その全額が損金となり、役員に対する課税も行われません。

(2) 役員敗訴の場合
 この場合、当該役員は過失等により会社に損害を与えた(損害賠償の責任がある)ことが確認されたものであり、提訴に係る争訟費用等及び損害賠償金は、当該役員自身が支出すべき費用であると考えられます。
 したがって、会社がその争訟費用を負担(役員の支払った費用を補)した場合は、その全額が当該役員に対する給与(役員賞与)とされ、法人の所得金額の計算上損金不算入とされます。

(注) 会社役員賠償責任保険の特約保険料(株主代表訴訟の役員敗訴に係る損害賠償金及び争訟費用の補に係る部分の保険料)を会社が負担した場合の経済的利益については、給与等として課税することとされています(平6.1.20課法8-2「会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて」)。

(3) 訴訟が取り下げられた場合
 訴訟が取り下げられた場合は、その役員の責任の所在が明らかとはなっていませんが、敗訴(責任あり)が確定していない以上役員としての職務を適正に遂行しているものと推定され、前記(1)と同様に取り扱うべきものと考えられます。

【関係法令通達】

 所得税法第28条、平6.1.20課法8-2「会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて」

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/03/32.htm

関連する質疑応答事例(源泉所得税)

  1. 法人成りにより支給を受ける小規模企業共済契約の一時金の所得区分
  2. 金銭の払込みに代えて報酬債権をもって相殺するストックオプションの税制適格の要否
  3. 手話通訳の報酬
  4. 校閲の報酬
  5. 販売員に対し引抜き防止のために支給した慰留金
  6. 音楽コンクールの審査員に対する謝金
  7. 非居住者に支払う職務発明の対価
  8. 米国法人に支払うコンテナーの使用料
  9. 短期滞在者免税の要件である滞在日数の計算
  10. 外国で取得した建物に係る借入金の利子
  11. 健康保険料の事業主負担(2分の1以上の負担)による経済的利益
  12. 土地等が共有されている場合の取扱い
  13. 公共法人等が利子計算期間の中途で外国法人から国外公社債を取得した場合の利子の課税関係
  14. 租税条約による限度税率が国内法による税率を超える場合の源泉徴収税率
  15. 退職所得の受給に関する申告書に支払済の退職手当を記載しないで提出した場合の是正方法
  16. 履行期間が6か月を超える延払債権のうち利子計算期間が6か月以内のものに係る利子
  17. 退職金を手形で支払った場合の源泉徴収をすべき日
  18. 破産管財人報酬
  19. 退職手当等とみなされる一時金につき、支払額の計算の基礎とならない制度加入期間がある場合の勤続年数
  20. 海外勤務期間内に控除対象扶養親族が死亡した場合の扶養控除の適用

項目別に質疑応答事例を調べる

当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


一括節税計算機
※所得を入力して、税額を一括比較
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

メニュー
ホーム
カテゴリ
人気ページ
新着情報
サイトマップ
節税対策ブログ

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

*ご利用にあたっては「利用規約」を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
HOME

*ページの先頭へ移動
(c) MAバンク 2015-2024