財産評価基本通達24−4に定める「経済的に最も合理的な」開発については、その地域の利用状況に合った宅地の地積に分割されること、当該分割による開発が、都市計画法等の法令に反していないこと、容積率及び建ぺい率も経済的に利用されることなどを考慮して判断すべきところ、本件甲土地及び本件乙土地のA路線の道路沿いは、一区画が600以上の店舗等の商業施設の敷地、C路線の道路沿いは、一区画が150から300前後の戸建住宅の敷地としての、また、本件丙土地の近隣地域は、一区画が350から700の戸建住宅や中高層の共同住宅の敷地としての利用が、それぞれ本件区画整理地内における経済的に最も合理的であると認めるのが相当である。
本件各土地に、「経済的に最も合理的な」開発を行った場合、公共公益的施設用地の負担が必要かどうかについて検討すると、請求人は、戸建住宅分譲用地の開発では公共道路の取付けは必要であると主張し、本件各土地の開発を想定した土地利用計画図と題する資料を当審判所に提出しているが、当該資料は、本件各土地について、中央部分に幅員6の道路を取り付け、本件甲土地は地積が3,013のところ、一区画の地積217.4の12区画で道路敷設地積を404.2、また、本件乙土地は地積が1,719のところ、一区画の地積177.2の8区画で道路敷設地積を301.4、さらに、本件丙土地は地積1,384のところ、一区画の地積135.3の8区画で道路敷設地積を301.6としたものであるが、このような開発は、近隣地域の利用状況に沿ったものであると考えるのは困難であり、また、本件区画整理地内には必ずしも道路を敷設しない開発も認められるところ、本件各土地について、道路を敷設し、殊更に細分化して開発する合理的な理由や必然性は見当たらないことから、請求人の主張する利用方法が経済的に最も合理的であると認めることはできない。
そこで、当審判所において、経済的に最も合理的であると認められる利用を前提とし、一区画の面積及び接道義務の基準、本件各土地の地形並びに本件区画整理地内の近隣地域の利用状況をしんしゃくして開発想定図を作成すると、本件各土地については、公共公益的施設として道路を敷設することなく開発することが経済的に最も合理的であると認められる。
そうすると、本件各土地の開発を行うとした場合に、公共公益的施設用地として道路が必要と認められないので、本件各土地の評価に当たって財産評価基本通達24−4の適用はできないこととなる。
平成21年6月25日裁決
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