[平成27年4月1日現在法令等]
個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。
なお、相続開始前3年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
(注)
相続の開始のあった日が「平成26年12月31日まで」と「平成27年1月1日以後」で、限度面積が異なりますのでご注意ください。
平成22年4月1日以後平成26年12月31日までに相続の開始のあった被相続人に係る相続税について、小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。
相続開始の直前における宅地等の利用区分 | 要件 | 限度面積 | 減額される割合 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 | 貸付事業以外の事業用の宅地等 | 特定事業用宅地等に該当する宅地等 | 400 | 80% | ||
貸付事業用の宅地等 | 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等 | 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 | 400 | 80% | ||
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | ||||
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 | 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | |||
被相続人等の貸付事業用の宅地等 | 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | |||
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 | 特定居住用宅地等に該当する宅地等 | 240 | 80% |
(注)
平成27年1月1日以後に相続の開始のあった被相続人に係る相続税について、小規模宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、次の表に掲げる区分ごとに一定の割合を減額します。
相続開始の直前における宅地等の利用区分 | 要件 | 限度面積 | 減額される割合 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
被相続人等の事業の用に供されていた宅地等 | 貸付事業以外の事業用の宅地等 | 特定事業用宅地等に該当する宅地等 | 400 | 80% | ||
貸付事業用の宅地等 | 一定の法人に貸し付けられ、その法人の事業(貸付事業を除く)用の宅地等 | 特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 | 400 | 80% | ||
貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | ||||
一定の法人に貸し付けられ、その法人の貸付事業用の宅地等 | 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | |||
被相続人等の貸付事業用の宅地等 | 貸付事業用宅地等に該当する宅地等 | 200 | 50% | |||
被相続人等の居住の用に供されていた宅地等 | 特定居住用宅地等に該当する宅地等 | 330 | 80% |
(注) 特例の適用を選択する宅地等が以下のいずれに該当するかに応じて、限度面積を判定します。
この特例は、特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等のいずれかに該当する宅地等であることが必要です。
相続開始の直前において被相続人等の事業(貸付事業を除きます。以下同じです。)の用に供されていた宅地等で、次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次の表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
区分 | 特例の適用要件 | |
---|---|---|
被相続人の事業の用に供されていた宅地等 | 事業承継要件 | その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。 |
保有継続要件 | その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 | |
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の事業の用に供されていた宅地等 | 事業継続要件 | 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等の上で事業を営んでいること。 |
保有継続要件 | その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 |
相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、次の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件に該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。なお、その宅地等が2以上ある場合には、主としてその居住の用に供していた一の宅地等に限ります。
また、平成26年1月1日以後に相続開始があった場合には、特定居住用宅地等の取扱いについて、次の事項の改正が行われています。
区分 | 特例の適用要件 | |
---|---|---|
取得者 | 取得者等ごとの要件 | |
被相続人の居住の用に供されていた宅地等 | 被相続人の配偶者 | 「取得者ごとの要件」はありません。 |
被相続人と同居していた親族 | 相続開始の時から相続税の申告期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人 | |
被相続人と同居していない親族 | からの全てに該当する場合で、かつ、次の及びの要件を満たす人
| |
被相続人と生計を一にする被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等 | 被相続人の配偶者 | 「取得者ごとの要件」はありません。 |
被相続人と生計を一にしていた親族 | 相続開始の直前から相続税の申告期限まで引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税の申告期限まで有している人 |
相続開始の直前から相続税の申告期限まで一定の法人の事業(貸付事業を除きます。以下同じです。)の用に供されていた宅地等で、次表の要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(一定の法人の事業の用に供されている部分で、次表に掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
なお、一定の法人とは、相続開始の直前において被相続人及び被相続人の親族等が法人の発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有している場合におけるその法人(相続税の申告期限において清算中の法人を除きます。)をいいます。
区分 | 特例の適用要件 | |
---|---|---|
一定の法人の事業の用に供されていた宅地等 | 法人役員要件 | 相続税の申告期限においてその法人の役員(法人税法第2条第15号に規定する役員(清算人を除きます。)をいいます。)であること。 |
保有継続要件 | その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 |
相続開始の直前において被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で、次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得したものをいいます(次表の区分に応じ、それぞれに掲げる要件の全てに該当する部分で、それぞれの要件に該当する被相続人の親族が相続又は遺贈により取得した持分の割合に応ずる部分に限られます。)。
区分 | 特例の適用要件 | |
---|---|---|
被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等 | 事業承継要件 | その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税の申告期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業を行っていること。 |
保有継続要件 | その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 | |
被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等 | 事業継続要件 | 相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その宅地等に係る貸付事業を行っていること。 |
保有継続要件 | その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 |
平成19年9月30日以前に被相続人又は被相続人の相続人と旧日本郵政公社との間の賃貸借契約に基づき郵便局の用に供するために貸し付けられていた一定の建物の敷地の用に供されていた宅地等のうち、平成19年10月1日から相続の開始の直前までの間において、その賃貸借契約の契約事項に一定事項以外の事項の変更がない賃貸借契約に基づき、引き続き、平成19年10月1日から平成24年9月30日までの間にあっては郵便局の用に供するため郵便局株式会社に、平成24年10月1日から相続開始の直前までの間にあっては郵便局の用に供するため日本郵便株式会社に対し貸し付けられていた一定の建物(以下「郵便局舎」といいます。)の敷地の用に供されていた宅地等で、その宅地等を取得した相続人から相続の開始の日以後5年以上その郵便局舎を日本郵便株式会社が引き継ぎ借り受けることにより、その宅地等を同日以後5年以上郵便局舎の敷地の用に供する見込みであることについて総務大臣の証明がなされた宅地等については、特定事業用宅地等に該当するものとして、この特例の適用を受けることができます。
この特例の適用を受けるためには、相続税の申告書に、この特例を受けようとする旨を記載するとともに、小規模宅地等に係る計算の明細書や遺産分割協議書の写しなど一定の書類を添付する必要があります。
(措法69の4、措令40の2、措規23の2、措通69の4-27)
・ 国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。
※ 下記の電話番号では、国税に関するご相談は受け付けておりません。
国税庁ホームページ http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4124.htm
当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:タックスアンサーのデータを利用して作成されています。
*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください