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日本商工会議所による「特定原産地証明書」の発給に係る手数料の取扱い|消費税

[日本商工会議所による「特定原産地証明書」の発給に係る手数料の取扱い]に関する質疑応答事例。

質疑応答事例(国税庁)

【照会要旨】

(問)
 日本とマレーシアとの間において経済連携協定(EPA)が締結され、平成18年7月13日に発効されています。これに伴い、輸出国政府等から証明書(以下「特定原産地証明書」といいます。)が発給された一定の物品(以下「原産品」といいます。)である場合、輸入国において当該物品は輸入関税が減免されています。
 日本においては、当該原産地証明書の発給に係る政府以外の団体として日本商工会議所が指定されており、「特定原産地証明書」の発給を受けようとする申請者から手数料を徴していますが、当該手数料に係る消費税の課否はどうなるのでしょうか。

《経済連携協定(EPA)》

○ 我が国では自由貿易協定(FTA:FreeTradeAgreement)を柱とする経済連携協定(EPA:EconomicPartnershipAgreement)の締結を推進し、関税の撤廃だけではなく、投資や各分野での協力などを含む幅広い経済関係強化を目指すこととしている。

【回答要旨】

(答)
 照会の手数料は、公文書に類するものの交付の対価として消費税法別表第一第5号ロ、消費税法施行令第12条第2項第1号ハに該当することから、非課税となります。

(理由)

1 日本商工会議所における「特定原産地証明書」の発給について

(1) 日本商工会議所について

 日本商工会議所は、経済連携協定に基づく特定原産地証明書の発給等に関する法律(以下「特定原産地法」といいます。)第8条《指定発給機関による発給事務》に基づき、同法第24条《公示》により指定発給機関として公示されています。

(注) 指定発給機関として官報により公示された商工会議所に限ります。

(2) 特定原産地証明書の発給事務について

 特定原産地法第4条《第一種特定原産地証明書の発給》及び第8条《指定発給機関による発給事務》に基づき、申請があったものについて審査を行い、特定原産品であると認めるとき、特定原産地証明書の発給を行います。

(3) 手数料に係る法令根基

 特定原産地法第32条第1項《手数料》において、「発給申請者は、経済産業大臣の行う特定原産地証明書の発給にあっては実費を勘案して政令で定める額の、指定発給機関の行う第一種特定原産地証明書の発給にあっては実費を勘案して政令で定めるところにより指定発給機関が経済産業大臣の認可を受けて定める額の手数料を納付しなければならない。」と規定されています。

2 「特定原産地証明書」の発給手数料に係る消費税の課税関係について

 日本とマレーシア間の協定で輸入者が関税上の特恵待遇を受けるためには、原産地証明書の交付を受けて輸入国に対して提出することが要件とされていることから、原産地証明書の発給事務が、消費税法施行令第12条第1項第1号ロに規定する事務に該当し、非課税規定の適用から除かれないことは明らかです。
 そこで、商工会議所は特定原産地法に基づき、国から指定を受け、特定原産地証明書の発給事務に係る手数料を徴収して当該事務に係る役務の提供を行っていることから、当該事務が、消費税法施行令第12条第2項第一号ハに掲げる「公文書に類するものの交付」に該当するかが問題となります。
 公文書の意義については、消費税法上明記されていないことから、他の法律の定義規定等を参照して解釈することとなりますが、公文書館法では、公文書等とは国又は地方公共団体が保管する公文書その他の記録と定義されており、また、大辞泉では、公文書とは国や地方公共団体の機関又は公務員がその職務上作成する文書と記述されています。
 照会の場合、商工会議所は国又は地方公共団体の機関ではないことから、これらが発給する「特定原産地証明書」は、直接的に公文書に該当するものではありませんが、

(1) 商工会議所が行う発給事務は、特定原産地法に基づき国が行わせるものであること

(2) 経済産業大臣(国)が発給することとされている「特定原産地証明書」と、経済産業大臣の指定に基づく指定発給機関である商工会議所が国に代わって発給する証明書は、日本国政府とマレーシア政府との間において、同等の効果を有するものであること(経済上の連携に関する日本国政府とマレーシア政府との協定第40条《原産地証明書》)

から、商工会議所が発行する「特定原産地証明書」は、公文書に類するものと考えられます。
 以上のことから、商工会議所が行う特定原産地証明書の発給事務は、消費税法施行令第12条第1項第1号ロに規定する事務に該当することから、同条第2項第1号ハに掲げる「公文書に類するものの交付」事務に係る役務の提供であるものとして、当該事務に係る手数料は非課税となります。

【参考】

 日本・メキシコ経済連携協定に基づく「特定原産地証明書」の発給についても、特定原産地証明法に基づき東京商工会議所ほか全国20の商工会議所が指定発給機関の指定を受け、処理していることから、同様に非課税となります。

【関係法令通達】

 消費税法別表第一第5号ロ、消費税法施行令第12条第2項第1号ハ

注記
 平成27年7月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

出典

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/10/06.htm

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当コンテンツは、国税庁ホームページ利用規約に基づき、国税庁:質疑応答事例のデータを利用して作成されています。


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