《要旨》 請求人は、滞納者が請求人にマンションの住戸(本件住戸)を著しく低い額の対価により譲り渡したこと(低額譲渡)と滞納者の国税(滞納国税)につき徴収すべき額に不足すること(徴収不足)との間に国税徴収法第39条《無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務》の基因関係はない旨主張する。
しかしながら、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる場合とは、その低額譲渡がなかったならば、現在の徴収不足は生じなかったであろう場合をいうものと解されるところ、債務超過になっていた滞納者は、請求人に対し低額譲渡を行い、これによって損失を生じさせた一方、譲渡代金も債権者への支払に全て費消していることからすれば、本件住戸の低額譲渡が直接の原因となって滞納国税の徴収不足が生じたといわざるを得ず、当該譲渡の日から請求人に対する第二次納税義務の納付告知処分に至るまでの間に、滞納者の納付資金が回復したと認められる事情もなく、低額譲渡により生じた徴収不足の状態が、当該納付告知処分の時点まで継続していたものと認められる。そうすると、低額譲渡がなかったならば、当該納付告知処分の時点において、滞納国税を全く納付できないという事態は生じなかったであろうといえるから、低額譲渡と徴収不足との間に基因関係が認められる。
《参照条文等》 国税徴収法第39条
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