請求人は、請求人の被相続人が原処分庁へ提出した確定申告書は、請求人の被相続人が原処分庁所属の担当職員に言われるままに署名押印し、その内容について納得せずに提出したものであり、無効であるから、無効な確定申告書に係る滞納国税を徴収するため行われた差押処分は違法である旨主張する。
しかしながら、担当職員が、被相続人の申立てに基づき確定申告書の金額欄に記載し、被相続人本人が確定申告書に署名押印した事実は認められるものの、担当職員が請求人の被相続人の意思に反して確定申告書の提出を強要したとする事実は認められない。
また、請求人の被相続人は当時年齢82歳と高齢ではあるものの、原処分庁所属の徴収担当職員と再三にわたり滞納国税の納付について相談を行い、納付の意思を示していたことなどから、確定申告書の内容について納得していたと認めるのが相当である。
なお、確定申告書の記載内容の過誤の是正については、錯誤が客観的に明白かつ重大であって、法が定めた方法以外に是正を許さないならば納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がある場合でなければ錯誤の主張が許されないと解されているところ、本件についてはこれに該当する事実は無いと認められるから、その是正は更正の請求により行うべきである。
以上のとおり、請求人の主張には理由がなく、差押処分は適法に行われていると認められるから、原処分は適法である。
平成13年7月6日裁決
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