請求人は、国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する仮装、隠ぺいの事実は全くなく、重加算税の賦課決定処分は違法であり取り消されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の妻が本件期間において請求人の事業に従事した時間がきん少であったことは、配偶者である請求人にとって明白な事実であり、請求人は、請求人の妻が専ら請求人の事業に従事していないこと及び本件専従者給与が本来請求人の妻に支給されるものではないことを十分認識した上で、請求人自身が開設したと認められる同人の管理する請求人の妻名義の預金口座に専従者給与相当額を振込み、請求人の妻に本件専従者給与を支払ったとして請求人の事業の必要経費に算入して所得金額を過少に計算し、確定申告を行ったものというべきであり、このことは、租税を不当に免れる目的をもって、故意に課税標準額等の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装したことに該当することは明らかである。
また、請求人が請求人の妻に支払ったとする本件専従者給与は、支給された側の請求人の妻自身も知らないものであり、請求人の妻の知らない口座に振り込むなどして請求人が実質的に預金等を管理し、運用を図っていたものと認められることからしても、請求人の妻への仮装の本件専従者給与の支給を作出したものであることは明らかである。
したがって、原処分庁が、国税通則法第68条第1項の規定に基づき行った各年分の所得税に係る重加算税の賦課決定処分は適法である。
平成14年5月22日裁決
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