最速節税対策

出資口の譲渡について、売買契約の要素に錯誤があるとして契約解除したことが、国税通則法第23条第2項に規定する「やむを得ない理由」に該当しないとした事例

[租税特別措置法][登録免許税法の特例]に関する裁決事例(国税不服審判所)。

裁決事例(国税不服審判所)

2003/06/20 [租税特別措置法][登録免許税法の特例]

裁決事例集 No.65 - 9頁

 請求人は、保有していた同族会社の出資口の譲渡について、本件売買契約に当たっては、譲受人に新たな課税関係が生じないことが重要な要素となっていたのであるから、重要な要素に錯誤があり、当該契約を解除したことが国税通則法第23条第2項に規定する後発的な理由に該当し、更正の請求ができる旨主張する。
 しかしながら、当該契約の要素の錯誤は、[1]当該契約は口頭で行なわれ、請求人の主張する事情が売買契約の条件として表示されていたものとは認められないこと、[2]当該契約の背景には次世代への事業承継及び経営基盤の安定があったものと認められること、[3]出資口の時価の算定方法は財産評価基本通達に明示されていることから、当該契約を成すに当たっての動機が民法第95条の規定により、当該契約の重要な要素として保護しなければならないものとまで解することはできない。そして、当事者の無効確認は、[1]価額があまりにも低いと贈与税等の問題が起きると認識しながらも財産評価基本通達によって評価をしていないのであるから、近隣の法人及び同業種の法人の株価などを参考にして実際の評価の7分の1の価格にしたことは評価方法の不知による個人的判断に基づく計算方法の誤りであって、[2]譲受人に新たな課税関係が発生しないことが本件売買契約の最重要な関心事であったとするならば不正確であることを自認しながら著しく低い価格で当該契約を成したのは法の不知であり、[3]原処分庁からの指摘後に当該契約無効の主張をしていることから、譲受人の贈与税の負担を免れるために行なわれた親族間における当事者の合意による契約解除であると認めるのが相当である。
 そうすると、この合意解除は請求人の個人的、主観的な事由によるものであって、国税通則法施行令第6条第1項第2号に規定する「当該契約成立後生じたやむを得ない事情」に当たらない。したがって、国税通則法第23条第2項第3号に規定する「やむを得ない理由」には該当せず、更正の請求ができる場合には当たらない。

国税不服審判所:公表裁決事例集:公表裁決事例要旨
出資口の譲渡について、売買契約の要素に錯誤があるとして契約解除したことが、国税通則法第23条第2項に規定する「やむを得ない理由」に該当しないとした事例

関連するカテゴリ

関連する裁決事例(租税特別措置法>登録免許税法の特例)

  1. 滞納処分があったことを知った日は原処分庁の主張する日より後であるから異議申立期間を徒過していないとした事例
  2. 6年前から居住の用に供していない土地建物の所在地に引き続き住民登録をしていたことを奇貨として、その住民票の写しを確定申告書に添付するなどにより居住用財産の譲渡所得の特別控除の適用を受けようとしたことは、事実の隠ぺい又は仮装に該当するとした事例
  3. 各年分の収入金額は、請求書控え及び預金通帳で十分把握し認識することができたにもかかわらず、毎月の収入金額をすべて600,000円に圧縮し、その金額を上回る部分を除外したところで、過少な課税標準額を記載した内容虚偽の申告書を作成して提出した行為は、事実の隠ぺいに該当するとした事例
  4. 過少申告加算税賦課決定の取消訴訟における課税庁の応訴は当該加算税の徴収権の消滅時効の中断事由となるとした事例
  5. 利息制限法所定の制限利息を超える額の利息を支払ったことによる過払金返還請求権は、その利息を支払った時に発生し、既に発生した債権は弁済期が未到来であっても差押えの対象となること及び一身専属権であると認めることはできないとした事例
  6. 滞納処分により差し押さえられた滞納会社の代表者名義の預託金制ゴルフ会員権につき、取得資金の全額が滞納会社の資金により支払われていること、滞納会社の決算報告書に本件会員権が資産として計上されていること等から、滞納会社に帰属すると認めるのが相当である等とした事例
  7. 消費税の仕入税額控除の計算を一括比例配分方式で申告したものについて、更正の請求において、個別対応方式に変更することはできないとした事例
  8. 請求人が滞納法人の株主又は社員と認めるに足る証拠はないとして、国税徴収法第37条の規定に基づく第二次納税義務の納付告知処分を取り消した事例
  9. 法人の取締役が個人的費消資金をねん出するために行った売上除外は、偽りその他不正の行為により税額を免れた場合に当たるとした事例
  10. 委託した工事が課税期間中に完了していないことを認識していたにもかかわらず、工事業者に対して課税期間中の請求書の発行を依頼した上、工事が課税期間中にあったものとして消費税等の納付すべき税額を算出していた場合に、税額の基礎となる事実を仮装していたものと認定した事例
  11. 過去5年以内に国税通則法第66条第6項の適用を受けていることを知らなかったとしても、同項に規定する「期限内申告書を提出する意思があつたと認められる場合」には該当しないとした事例
  12. 請求人は、原処分庁に対して、信義則上、請求人が滞納会社と別異の法人格であることを主張して被差押債権の帰属を争うことができないとした事例
  13. 債権の差押処分について、その財産の帰属を誤ったとした事例
  14. 原処分庁が、請求人自身の面接を経ずに無申告加算税の賦課決定処分をした事案について、国税通則法第66条第5項の「調査」は、机上調査も含む広い概念であることを明らかにした事例(平成24年分の贈与税に係る無申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成26年7月28日裁決)
  15. 酒類を譲渡担保の目的財産とする譲渡担保設定契約が無効又は課税庁に対して相対的に無効ということはできないから、譲渡担保財産となっていた酒類が滞納者に帰属するとしてした差押処分は違法であり、したがって、当該差押処分に続く配当処分において滞納国税に配当された金額は、残余金として譲渡担保権者である請求人に交付すべきであるとした事例
  16. 財団法人に対する寄附は、国税徴収法第39条に規定する無償譲渡等に当たるとした事例
  17. 滞納者の破産手続開始決定後に行われた滞納者を譲渡担保設定者とする譲渡担保債権についての滞納処分が破産法第43条第1項の規定に反しないとした事例
  18. 源泉徴収に係る所得税の納税告知処分の違法性は滞納処分に承継されないとした事例
  19. 先の差押調書謄本が送達されたと認定し、これにより滞納国税の徴収権の消滅時効が中断され、その後に行われた差押処分が適法であるとされた事例
  20. 隠ぺい行為と評価できる状況を是正する措置が採られた前後の期間があるにもかかわらず、是正する措置を採らなかった期間分について、隠ぺい行為と評価できる事実に基づき申告書を提出した場合に、重加算税の賦課要件を満たすとした事例

※最大20件まで表示

税法別に税務訴訟事例を調べる

当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。


一括節税計算機
※所得を入力して、税額を一括比較
所 得万円 *必須
減少額万円 *任意  設定  消去
[対応税目]*法人税*所得税*消費税*相続税*贈与税*利子所得*配当所得*給与所得*退職所得*譲渡所得(土地)*譲渡所得(株式)*譲渡所得(総合)*一時所得*雑所得(年金)*雑所得(FX等)

*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください

メニュー
ホーム
カテゴリ
人気ページ
新着情報
サイトマップ
節税対策ブログ

このページを他の人に教える


ご意見ご要望をお聞かせ下さい

 過去のご意見ご要望については、ご意見ご要望&回答一覧で確認できます。

利用規約をお読み下さい

*ご利用にあたっては「利用規約」を必ずお読み下さい。

広告を募集しています

掲載していただける広告を募集しております。詳しくは広告掲載をご覧ください。
HOME

*ページの先頭へ移動
(c) MAバンク 2015-2025