請求人は、本件取引期間全体では、総額で多額の損失を被っているのであるから、本件先物取引において、一時的に利益が生じたからといって課税するのは違法である旨主張するが、所得税の納税義務は、暦年の終了の時に成立し(国税通則法第15条第2項第1号)、その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、その年において収入すべき金額とされているところ(所得税法第36条第1項)、請求人は、本件取引期間全体では損失を被っているものの、平成13年中の本件先物取引では利益が生じているのであるから、同年中の本件先物取引による損益は、平成13年分の所得となる。
また、請求人は、本件更正処分に際しても、商品先物取引に係る損失の繰越控除を認めることとした租税特別措置法第41条の15の適用を認めるべきである旨主張するが、平成15年に改正された租税特別措置法第41条の15第1項及び第2項の内容は、平成15年1月1日以後に商品先物取引の差金等決済をしたことにより生じた損失の金額について適用されるものであり、請求人が行った商品先物取引は、平成14年12月以前に行われたものであるところ、平成14年12月31日以前の商品先物取引の差金等決済をしたことにより生じた損失の金額についてもそ及して適用することを定めた規定が存在しない以上、本件取引期間において請求人が行った商品先物取引について、租税特別措置法第41条の15の規定の適用はない。
平成17年11月16日裁決
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