請求人は、原処分庁が滞納者に対する滞納処分を十分に行っておらず、誠実な職務を遂行しているとはいえないこと及び本件滞納国税の負担を請求人に一方的に求め、租税負担の公平性を阻害していることから、本件督促処分は不当である旨主張する。
しかしながら、相続税法第34条第1項に定める連帯納付義務は、相続税の徴収の確保を図るために相互に各相続人に課した特別な責任であり、その確定は各相続人の固有の相続税の納付義務の確定という事実に照応して法律上当然に生じるものであるから、各相続人の固有の納税義務が確定すれば、直ちに連帯納付義務者に対して徴収手続を行うことができ、また、国税徴収法第32条以下に規定されている第二次納税義務のような、本来の納税義務者に対する滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限って滞納国税の納税義務を負担するという補充的な性格を持つものではない。
したがって、原処分庁が請求人に対し本件滞納国税に係る連帯納付義務の履行を求め徴収手続を進めたとしても、これが本来の納税者である滞納者に徴収手続を尽くした後でなければできないというものではないことから、請求人の主張には理由がない。
平成12年4月19日裁決
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