農地法上の許可等は法定条件であるとはいえ、農地の場合、農地法上の許可等のない限り、所有権移転の効力は生じないのであるから、この意味においては、停止条件付遺贈と同様に考えることができるのであって、本件遺贈は、当該条件が成就したときからその効力が生じるというべきである。
遺贈の目的である土地が農地であるか否かは、現況により判断すべきであることからすれば、少なくとも受遺者の責めに帰さない事情により非農地となった以上、農地法上の許可等を受けていなくても、非農地となった時に所有権移転の効力が生ずるというべきであり、同法に、違反転用に対する処分が規定されているからといって、所有権移転の効力が否定されるものではない。
本件の場合、客観的な使用状況に照らすと、遅くとも平成3年2月15日までには非農地になっていたと考えられ、その経緯からすると、同日に所有権移転の効力が生じたというべきである。
そして、請求人は、平成3年10月には非農地化した事実を知ったのであるから、請求人について相続税法第27条第1項に規定する「相続開始があったことを知った日」は、平成3年10月となる。
そうすると、本件決定処分は、国税通則法第70条第3項に違反し、違法である。
平成13年2月27日裁決
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