裁決事例集 No.39 - 401頁
被相続人が所有する取引相場のない株式につき、当該株式の発行会社に対して「退職した場合には、会社の指示に従い、額面価額をもって所有する株式を譲渡する」という誓約書を提出していること等から、相続人としてその誓約書どおりに額面価額により相続した当該株式を譲渡せざるを得ない状況にあったとしても、当該誓約は、会社と従業員という特定の関係にある当事者間の契約であり、当該契約による譲渡価額は、被相続人の自由意思により決定された額とは認められないから、仮に、額面価額が唯一の処分可能価額であったとしても、その価額は、当該株式の客観的交換価値を表した価額とは認められない。
相続税法第22条に規定する「時価」とは、利害関係のない当事者間における客観的交換価値と解されるから、当該制約された譲渡価額は、同条に規定する時価に当たらない。
本件株式については、被相続人及び請求人らの所有形態からみて、配当還元方式により評価するのが客観的で合理的である。
平成2年6月18日裁決
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