《ポイント》 本事例は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地の評価について、財産評価基本通達82に定める雑種地の評価方法(状況が類似する財産評価基本通達49に定める市街地山林)により評価するのが相当であるとしたものである。
《要旨》 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第2条《定義》第2項に規定する急傾斜地崩壊防止施設からの排水を公共用水路に流出するための排水路の敷地の用に供されていた土地(本件排水路土地)の評価について、原処分庁は、財産評価基本通達(評価通達)24《私道の用に供されている宅地の評価》の前段に準じて、宅地の価額の100分の30に相当する価額によって評価すべきである旨主張し、請求人らは、評価通達24の後段に準じて、その価額は評価しないこととすべきである旨主張する。
しかしながら、本件排水路土地及び本件排水路土地に隣接する急傾斜地崩壊防止施設の敷地の用に供されていた土地(本件施設土地)の地目は、いずれも雑種地であると認められるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、その利用目的等からすれば、評価通達7−2《評価単位》の(7)に定める利用の単位となっている一団の雑種地に該当するため、本件排水路土地は、本件施設土地と一の評価単位として、評価通達82《雑種地の評価》に定める雑種地の評価方法により評価することになる。そして、本件の場合、一の評価単位の大部分を占める本件施設土地が急傾斜地であることを考慮すれば、評価通達82に定める本件排水路土地及び本件施設土地と状況が類似する付近の土地は山林と判断するのが相当であるところ、本件排水路土地及び本件施設土地は、評価通達49《市街地山林の評価》に定める急傾斜地であるために宅地造成ができないと認められるから、本件排水路土地は、評価通達49のなお書のとおり、近隣の純山林の価額に比準して評価するのが相当である。
《参照条文等》 相続税法第22条 財産評価基本通達7−2、49、82
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