請求人は、本件土地に関連会社の地上権が設定されているから、更地価格の10%の価額で評価すべきであると主張するが、被相続人と同社との間の本件土地の使用関係は、[1]貸借契約がないこと及び[2]権利金及び地代の授受の事実がないことから、当事者間における特殊な信頼関係に基づくものであって、本件土地について、同社が継続的に使用している事実は認められるものの、同社が当初から地上権行使の意思をもって使用していたと認めるに足る証拠はないので、結局、本件土地に同社の地上権の存在を認めることはできない。
また、同社に地上権が存在する旨の地裁判決については、当該訴訟の被告である請求人らが全く争わずに確定したものであり、請求人らが同社の意思決定権を有するものであることからすれば、時効取得という法的手段を用いて本件地上権の存在を確定させようとして、本件訴訟を同社に提起させ、被告が争わなかったことに起因するものであり、その訴訟を提起したこと自体が、相続税の軽減という動機を経済的、実質的に行為化したものと判断するのが相当である。
平成8年12月9日裁決
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