《ポイント》 本事例は、相続により取得した土地は、いわゆるマンション適地等に該当するので、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当しない旨判断したが、財産評価基本通達15に定める奥行価格補正について、財産評価基本通達20の(2)ではなく(4)に基づき計算すべきであると判断して原処分の一部を取り消したものである。
《要旨》 請求人は、本件土地が財産評価基本通達24−4《広大地の評価》(本件通達)の適用がないとされる、いわゆるマンション適地等に当たるか否かについて、本件土地の周辺地域の状況は戸建住宅とマンションが混在している地域であること、専門家が本件土地は、マンションの敷地よりも戸建住宅の敷地に適しているとの意見を述べていることなどからすると、本件土地はマンション適地等に該当しない旨主張する。
しかしながら、マンション適地等であると認められる場合とは、本件通達に定める「その地域」におけるマンション等の建築の状況、用途地域・建ぺい率・容積率や地方公共団体の開発規制、また、交通、教育、医療等の公的施設や商業地への接近性等から判断して、評価対象地をマンション等の敷地とすることが経済的に最も合理的であると認められる場合を指すと解するのが相当であるところ、本件土地の存する「その地域」は、マンション等の建築に係る規制が厳しくない地域であること、本件土地は公共施設及び商業施設との接近性に優れていること、「その地域」には複数のマンションが存すること、「その地域」において、本件相続開始前10年間における500以上の土地に係る建物の建築事例は2件あり、いずれもマンションの建築事例であること、本件相続開始日後、現に本件土地上にマンションが建築されていることからすると、本件土地は明らかにマンション適地等に該当するものと認められる。
《参照条文等》 財産評価基本通達15、20、24−4
《参考判決・裁決》 平成23年9月5日裁決(裁決事例集No.84) 平成21年12月15日裁決(裁決事例集No.78・432頁)
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