請求人らは、請求人らの一人が相続により取得した本件土地(1,075)の最有効使用は、本件土地が存する本件地域の状況及び本件土地の個別的要因を考慮すると、中高層の集合住宅等の敷地として利用することなく、建築資金が小額でリスクの小さい戸建住宅の敷地として利用することである旨主張する。
しかしながら、本件地域では、平成X年にその用途地域が住宅地域から近隣商業地域に変更され、建ぺい率は80%、容積率は300%と中高層の集合住宅等を建設することが可能であること、平成X年以降、市に対して開発許可申請がなされていないことから、1,000以上の土地について開発行為をした場合に公共公益的施設の負担が必要な開発は行われていないこと、本件相続の開始以前10年間において、戸建住宅よりむしろ中高層の集合住宅等が多く建築されていることが認められる。次に、本件土地についてみると、本件土地の形状、接面道路の幅員、本件土地と接面道路との接する距離、接面道路と県道・国道との距離に加えて、容積率が300%と定められていることなどからしても、本件土地に中高層の集合住宅等を建築することに特段の支障を来す状況は見受けられない。なお、平成10年8月には、本件地域内の約830の土地に11階建の事務所ビルが建築されており、本件土地と同規模の土地が細分化されることなく一体として利用されている。以上の事実を勘案すると、本件土地の最有効使用は、戸建住宅の敷地の用に供することではなく、中高層の集合住宅等の敷地の用に供することであると認められる。したがって、本件土地はマンション適地等に該当するので、財産評価基本通達24−4に定める広大地に該当するとして評価することはできない。
平成21年12月15日裁決
※最大20件まで表示
当コンテンツは著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)の規定に基づき、国税不服審判所:公表裁決事例要旨と裁判所:行政事件裁判例のデータを利用して作成されています。
*ご利用にあたっては利用規約を必ずご確認ください