《ポイント》 本事例は、被相続人名義の口座に入金された金員の合計額の一部については、その原資は請求人らの亡父の預金口座から同人の意思に基づき出金された金員であると認められ贈与により取得した財産に当たるが、その余の金員の原資は請求人らの亡父に帰属していたとは認められず、贈与により取得した財産には当たらないと判断したものである。
《要旨》 原処分庁は、被相続人(本件被相続人)名義の口座(本件被相続人口座)に入金された金員の合計額(本件金員)は、請求人らの亡父が本件被相続人に贈与したものであるから、相続税法(平成27年法律第9号による改正前のもの)第2条の2《贈与税の課税財産の範囲》第1項に規定する贈与により取得した財産に当たる旨主張し、請求人らは、請求人らの亡父が本件被相続人に本件金員を贈与する旨の意思表示をしたとする客観的証拠はないことから、本件金員は、同項に規定する贈与により取得した財産に当たらない旨主張する。 しかしながら、本件金員の一部については、その原資が請求人らの亡父の預貯金から同人の意思に基づき出金された金員であり、本件被相続人口座に当該出金された金員と同額が入金された後に本件被相続人口座から本件被相続人の老人ホームの利用料が支払われていることなどから、同項に規定する贈与により取得した財産に当たるが、本件金員から左記の贈与により取得したと認められる金員を差し引いた残部については、その原資が請求人らの亡父に帰属していたと認めることはできないことから、同項に規定する贈与により取得した財産に当たらない。
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